緑と銀の甘いお茶会│帽子屋×少年アリス。見た目銀八土でアリス話。アリスワンピな土方くん。

※銀さん誕生日おめでとうの時に書いた緑の帽子で銀髪の
 いかれ帽子屋と黒髪少年アリスのお話です。
 名前すら出てこないけど、年齢的に3zの銀八×土方です。











スコーンに、パイそして甘いクッキーも、ケーキですら。
敵わない、甘い甘い貴方を。







昼下がりの森の中、木漏れ日に彩られた少し開けた場所には
甘い香りが漂っていた。森の奥であるのに置かれているテーブルは綺麗に
プレスされたテーブルクロスが掛けられており、テーブルには白い薔薇が
アレンジメントされて飾られていた。
その横で椅子を3つ並べて横になっている人物がいた。
緑の帽子を顔に載せ、ワイシャツはよれよれで緑のズボンも皺が寄っているが
気にした風もない。


ここはいかれ帽子屋の根城としている365日お祝いのティーパーティー会場で
今日もパーティーの準備をしなければならないが、気分が乗らないとばかりにこの場所の
主はずっと惰眠を貪って。


常に晴天で、ぽかぽか陽気の4月の昼下がり。
眠ろうが、何をしようがずっとその風景は変わらない。
そんな異常な風景にずっと閉じ込められている。
どうせ何も変わらないなら毎日お祝いにしようじゃねーか、と息巻いていたのは
本当に最初の数か月だけだった。
それでも変化がないのは確かにつらい。
この場所から動かないのは、外の世界はハートのババァもとい女王の持ちものだからである。


しかし、もしかしたらこの場所すらそうなのかもしれない。
(クリケット用のハリネズミが飛んできてソーサーを一つダメにしたが
何も言われなかった)
この場所から動かないのは一つの意地でもあった。そんな小さな矜持で自分は
甘いお菓子と、紅茶で人々を誘っている。










キーキーと何かを引きずる音がしてテーブルに視線を向ければ、ハツカネズミの
新八がカップを抱えて怒っていた。
それに煩げに顔を顰めると帽子を取り除き、空を眺める。
ぽっかりと青空が抜けるように広がり、そこに小さな雲がふわりと
浮かんで流れていく。




「…今日は『小さな雲の客を迎えた日記念』のお祝いにしようかねェ」
伸びをして立ち上がる。

その声にカップを抱えていた新八はホッとしたようで再びテーブルの上を走り始めた。

甘い香りが立ち込めて、オーブンからは余熱に切り替わる音がする。
オーブンがあるので最近は焼き物に凝っているが所詮食べるのは、自分とハツカネズミ位だ。
たまにウサギの神楽が来るが、今日はまだ姿を見せていない所を見ると
今日も忙しいアルと言いながらでかい時計を持って走り回っていることだろう。

立ち上がりオーブンを開けてみれば今日もこんがり上手に
焼き上がっていた。




「今日はアップルパイとソルトソルベ添え、あ、新八ィ、ミントその辺から千切ってきて」




テーブルの上で忙しそうに走り回っている新八に声をかけると、キーと抗議の声が上がった。




「あーハイハイ。俺が取ってきますぅ〜」

取りに行くといってもこの区間から抜けるわけではない。
少し奥まった所にある茂みからミントを選び取るだけだ。お茶菓子の材料やこういった類のものは
いつの間にか冷蔵庫やこういうところに存在している。


それが当たり前の、異常な状態。







そんな異常な状態が普通になりかけていた日常に少しだけ
退屈な矢先。
茂みの中で倒れている青色のドレスを纏った人間がいた。


面倒なことになったなァと思いつつ引きずり出せば気を失うのはまだ15にも満たない
子供だった。両腕に抱えてテーブルまで戻ればハツカネズミは鼻を近づけて匂いを嗅ぐ仕草をする。
青色だと思ったのは水色で、しかも女の子、…ではない。
ふんわりとレースがたっぷりと付いたドレスを身に纏っているが、なだらかな胸に
膨らみもなく、尚且つ黒々した髪は短く、瞳は閉じられているが勝ち気そうだ。


テーブルに寝かせて取り合えず暖かな陽気なので風邪をひくこともないだろうと
自分の上着を着せると先ほど取り出したアップルパイを
皿に切り分けていく、アイスを取りだして添えてミントを散らせば出来上がりである。

上出来な出来栄えで、後は紅茶は何にしようかと葉を選びながら
テーブルの端に寝かしたドレスを纏った少年アリスを見つめる。
そのうち目が覚めるだろうと思いながらも、単調で奇妙な時間に、変化をもたらしてくれた
存在に少し胸が躍っていた。











こと、と皿を傍へと置くと、香りの高い紅茶をソーサーごと持ち上げてカップを掬い取って一口。
もちろん砂糖は三杯でミルクは多めに入れるのがポイントだ。
すると少年アリスはその匂いにつられたか目を覚まして身体を起こそうとする。


それを覗き込んでやれば、目をぱっちり開いた顔が眠っている時よりも年相応に見せて可愛く思えた。




「…、…ここは?…で、アンタ誰?」

「アンタって、命の恩人に向かってー。此処は俺のお茶会のテーブル。で、お前はそこの奥の茂みン中で倒れてたところを保護してやったんだぜ?」







お前こそ何してたんだ?と聞き返せばさっきまで、兄たちに絵本を読んで貰いながら
眠っていたところウサギが現れて追いかけたらそこにいたらしい。
たどたどしく事情を説明する少年アリスはテーブルに腰掛けて不安げに俯く。




(…あ、可愛い)

本当に男にしとくのは勿体ねーなァと伏せられた瞳を見て思う。
椅子に座ったままテーブルに座る彼は少し線が上になり、覗きこむことが出来る。
不安そうに視線を向ける彼にいつものように様式に笑ってやる。





「ようこそ、少年アリス君。いかれ帽子屋のティーパーティーへ。今日は何でもない日を祝う素敵な日。
参加していかないかィ?」


「いかれ帽子屋…ァ?…うさんくせー…、…ぁ」




正直に呟かれた彼の言葉にくすりと笑えば、目上の者に対する発言じゃないと気づいたのだろう。
随分真面目な性格であるらしい。
いつも記念日をでっちあげてお祝いしていたのだが、今日は突然現れた彼に
記念日を作って貰おう。
そう思って戸惑い交じりに彷徨わせた彼の手を取って、手の甲に口付ける。


「胡散臭くて、…甘いものが大好きないかれ帽子屋でーす。…お前の指はだいぶ甘そうだねェ」





クスクスと笑いながら固まる彼の手を掴んだままそう呟けば
その和やかな雰囲気にすっかり騙されていたのだろう、大きく肩を震わせて逃げようとするが
後ろへ下がればスカートがずり上がり、たっぷりのレースとシフォンで隠されていた
太腿が露わになってしまう。


片手でスカートを押さえながら顔を赤くして、小さく何度も「離せよ、離せ…」と震える声で
呟いた。
それがまた嗜虐心を誘うけれど、砂糖菓子のように甘い彼を食べるのは
こんな昼下がりのテーブルの上じゃ気の毒だ。

口付けたその唇で、彼の指を一本含めば柔らかく吸い上げて咥内に
取り込み、舌で爪先と指腹を舐め上げる。
甘く歯を立てればそれだけで固まる彼を見上げてくすりと笑い、甘く噛んでから唇を離す。
それだけの刺激であるのに、彼は年齢以上に幼い経験しかないのか力が抜けてしまったようで
此方に凭れかかってくるのを抱き止めた。


楽しげに笑いながら力の抜けた彼を抱きよせ、膝に抱いてやるといよいよ
露わになった太腿は隠す手立てもなく、しかもバランスの悪さから
自分の背にしがみ付くように回された腕に喉を震わせた。




その震える背を撫でてやりながら暖かな陽気の空を見上げる。
ウサギを追いかけていたということは、ハートのババァもといハートの女王が欲しがったんだろう。
ウサギを追いかければ何れはハートの女王に辿りつくからだ。
だけど、この子はやらない。ババァの下に行けば遊びつくされた揚句
首を刎ねさせる極度のSだからだ。





明日から雨しか降らされなくても、この腕に抱いた存在だけは
確かなものであってほしい。
印をつけるように軽く震える唇に口付けると驚いたように見つめ返すその表情に
先ほどのような穏やかな日の光りのような笑みを向けた。





「…さァて、紅茶も冷めちまったことだし、淹れ直してパーティーを
始めるとするかね」
「…ア、ンタ…、…一体…」


「なんでもねーよ、…ただの胡散臭い、いかれ帽子屋さ」




少年アリスを今まで座っていた椅子に座らせて立ち上がるとくすりと笑った。

















今まで欲しいものは何も言わなくても与えられた。
そんな世界に反旗を翻した記念日。










少年アリスはいかれ帽子屋の腕に抱かれ、捕えられた。
果てぬ夢をずっと見続けるために。























Sweet Sweet Dream!!

アリスな少年といかれ帽子屋のコスを実は友人とやった覚えがありまして(笑)いかれ帽子屋の私は
ティーカップとステッキを持ち、アリスな友人のスカート捲りをした覚えが(そこ)アリスはテッパンですかね。