ゼロになれ!(18禁)│原作銀土。恋は価値観の壊し合いだと思う。金さん襲う御巡りさん。

価値観もすべてねじ曲げて。
叩き壊して、ゼロに。

「さぁ、ここから、貴方は始まったのです」




レディ?




**




目が覚めたら何故か見慣れない天井の下で寝ていた。
金の髪は僅かに濡れて濃い色になっていたが自分からは見えない。

ただ濡れた感触があると言うことだけだった。

頭が割れるように痛くて、でも真新しいベッドのシーツは柔らかくて
また目が閉じそうになる。身体も痛くて、また飲みすぎちまったかなァと
ため息を零せば、その息に酒気が混じって商売で酒とは切れないとはいえ
飲みすぎたと後悔しそうになった矢先。



チャラ、…と金属音が鳴り、目を瞬けば覚醒した自分の上には人が。

一気に目を見開けば、ワイシャツを纏った黒髪の男が腹に乗っていたのだった。




(…ハァアアア?な、何の夢ェエエ、コレェエエ!?)


口にしたかったけれど出来なかった。
その顔には見覚えがあり、夜の街に在駐する交番の警察官であり
名前は確か、ひ…


「土方…」

「…目ェ、覚めたのか」

そう静かに呟いて軽くその好戦的な目を細めたのだった。







土方十四郎、夜の街には真面目すぎる勤勉な様子で、喧嘩の仲裁に
入るのを良く見かけた。しかし外見とは裏腹な好戦的な性格なのか、どっちが
喧嘩しているのか分からなくなり最後は何とか治まってしまうという有様だった。
無秩序が法律の夜の街だからそのぐらい喧嘩っ早い警察官でも大歓迎で
迎えられたに違いない。その拳の強さでは、悪党も逃げ出すほどの喧嘩の強さだとか
喧嘩好きで仲裁に入るのを楽しみにしているとかそんなことが実しやかに流されて
夜の街に君臨し始めている。

出会いの切欠は喧嘩の仲裁に入った警察官の手助けに入ったというのが始まりだった。


『…ッ手出しすんな…ッ』

『あらー強いのねェ、お巡りさん。いや、数が多いから手助けいるかなーとッ』


そう言いながら土方の左から狙っていた男を足で一蹴し、革靴で踏みつけると
その後ろにいた男を土方が拳で一撃。

『いらねーよッ!』


あっという間に誰が喧嘩していたのか分からない怪我人で溢れる
路地にて煙草に火をつけて歩き去ろうとする土方に声をかけたのは自分だった。

『怪我している人いるのにほっとく気ィ?』



お巡りさんにあるまじき行為〜と茶化せば、口端を吊り上げて
『非番中だ』といって去っていく背中に口笛を吹いたのだった。




それからは交番で見かけたり、店の前に見回りに来る時などに
よく見かける程度だった。会えば挨拶を交わし、飯屋に入っていれば
同席する程度。

友達とはいえないようなただの知り合い程度だったはず。

それがどうしてこんな状況になっているのかと問いかけたくなる。



「あ、ーと俺ってどっかで潰れてた…?」

で介抱してくれたりとか?と思いながら霞む視界を僅かに緩和したくて瞳を眇める。
すると土方は、肯定も否定もないような曖昧な仕草をしてカチリと
自分のベルトに手をかけ始めたのだった。

流石にぎょっとして止めようとすれば、金属音が鳴り自分の状況がやっと掴めて
血の気が下がった。

自分は手首を手錠かなにかで繋がれ、身動き取れない状態になっているのだった。
それに気付いて驚きながら足を動かそうにも土方が上に乗っているため
動く部分は限られており僅かに首を振るぐらいしか出来なかった。
そうこうしている内にベルトが外され、ズボンのジッパーが下ろされると
その上に屈んだ土方が唇を寄せてきたのだ。

目的が知れ、驚いて引き剥がそうにも身を捩ることしか出来ずにいれば
ワイシャツを纏っていた土方が、ワイシャツしか纏っていないことに気付いて
全身の熱が上がったような気がした。白い太腿を乗せ、僅かに行動を奪うと
肉食獣のように笑う土方の劣情に煽られる気がした。

口付けられたのは明確な熱を高めるためのそれで、柔らかいそれが触れれば
声も出せずにいたことを思い出す。



「…、…なんで…?」

呆然と音になっていたのかそう呟きを零せば、『なんでなんだろうな』と自嘲気味に
返答があり、それにホッとしながらも(いやホッとしている場合じゃないのは百も承知で)
現れたボクサーショーツに歯がかかりずるりと脱がされたのを知り、
目を見開いてしまう。

「え、…は…ァ?き、…急展開につ、付いていけないんだけど」

「…付いてこなくていい、そのままでいてくれ」


悪いようにしないから、と小さく呟いて思い詰めた様に唇を噛む仕草に
先ほどまでの笑みが全くなくなったような気がした。
それに喉を鳴らせば、その気になったかと顔をあげた土方の顔が妙に
幼く見えて思わず笑ってしまいそうになるのを堪えるのが必死だった。
拙いが必死な土方の愛撫に笑いを堪えている為、震えているのかと思ったのか触れる
手が思いのほか優しくなった。
現れた自身が空気に触れて僅かに寒さにぶるりと震えるのを土方は躊躇なく
咥内へ招き入れしゃぶるように力を込めていく。
それに下腹部が重たくなる感触を覚えて大きく息を吐き出すと、咥内で育つように
立ち上がる自身に気をよくしたのかそのまま舌を使って咥内の奥まで招き入れる。


チュプ、と唾液と先走りの蜜が毀れる尖端は微妙に震えており
そのまま唾液が絡まりながら滑り落ちていくのを遠い意識下で感じて目を閉じた。

「…ンン……ッ」

「お前って、…下の毛も金なんだなァ…」


「それ絶対言われる…ていうか、土方君?って上手だよねェ…ぁ…ッ」



堪えることのない素直な声が毀れると、土方は薄い金の下の毛を掌で
撫で上げると口を窄めて丁寧になぞっていく。
その感触に思わず息を呑んで視線を向ければ、再び笑みを浮かべた視線をこちらと
克ち合せてきた。
その視線に迷いはもはや無くなったのは自分の色めいた視線に気づいたか否か。

ビクと大きく震えて先走りの蜜が咥内へ飲み込まれていくのを溜まらず
揺らせば手首ががちゃりと金属音を響かせる。
だからといって止める手段も見当たらない。

ただ喧嘩している姿が綺麗だと思っただけなのに。戦いながらも汚れない
そんな綺麗な存在だと思った奴がいま自分の欲望の塊を咥えているなんて
信じられない。

綺麗なものを汚した背徳感を味わいながら目を閉じれば、小さくぶるぶると震える
下の毛を指で弄られその感触に咥えられたものが大きく震え。


「…ッちょ、も、でるから…ッ、…ッ…ッアァ!」

慌てて押しのけようと体を起こそうとしても動けず、口が窄まり咥内から毀れた白濁が
すべて咥内へと奪い取られるのを見つめてしまい、思わず息を飲んでしまった。
白い喉が嚥下したのを見せるようにわざと仰のくのを見つめれば、ワイシャツの裾をめくり
さらに白い部分が見え隠れして思わずごくりと喉を鳴らした。



「…はァ、は…、ね、…どう、…して?」

「…知るか」



「は…?」

知るかよ、お前が欲しくてたまらねーつー感情なんざッ、そう慟哭の様に響いた
声は唸る様に喉奥で噛み潰されて互いの咥内へと消えた。
噛みつくように口付けられて、己の精液を舐める気持ち悪さに顔をしかめながらも
唾液の交換をしていく。
そうして奥まった襞を己の指で僅かに割り開き慣らしていきながら、
自身の先走りの蜜を塗りつけて飲み込ませていく。それでもきついのか眉を顰めながら
口付けに答えるように「ん、ん」と苦しげな声が土方の口から漏れる。
口付けでは翻弄できなかったことが悔しかったのだろう、舌打ちして唇を開放すると
再び自分の蕾を割り開く様に性急気味に指を突き動かす。

というか、これで飯食ってるんだから、それぐらい勝たせてほしい。




「あ…あぁ…ッひ、…ぅ…ッ!」

ほとんど慣れてはいないだろう、ワイシャツから見える双丘の奥は赤くなっており
指を引き抜くと反応し勃ち上がりかけている俺の熱を立たせると腰を擦りつけた。

固くまた噤んでしまう蕾に顔を伏せながら大きく息を吐きながら再び飲み込もうと
腰を下ろしていくのを触れてギチ、と勢い良く締め付ける強さに顔を歪めれば、
目を閉じて痛みに耐え腰を下ろしていく。
此方も締め付ける肉は容赦がなく、苦しさを表わしているものだが、必死に
なっている土方に手が動かないままで僅かに足を持ち上げて膝で土方の足を撫でた。



「大きく息吸って、腰ゆっくりにして。…これじゃ気持ち良くなれねーよ?」

「…ッ」

首を振って否定するも痛みに耐えきれなくなったのか、それとも
失敗に終わりそうな既成の事実に必死になっているのだろうか。
どちらにせよ、固く閉ざされた蕾はそれ以上進むことを許さず固くなったままで、
なんというか咥えこまれている自身も痛いが、大きく息を吐き出して固くなった
蕾の中に隙間を作る様に腰を揺すりながら息を吐き出した。

始めはヤられるのかと思ったが、どうやら土方君はネコらしい。しかし尻に経験が
ないというのによくもまぁ、と喉を震わせればきっとこちらを睨みながら何とか蕾が
解けるように力を抜いていき。
再び立ち上がった熱が内壁を擦りあげる頃になると、腰は自然に深く下がってきて
尻の感触が内腿に触れて揺すり触れる肉の柔らかさに声も必死なものから
甘いものへと変わっていく。




「は…ッぁあっ金、…時…ッきんと、きィ…ッ」

最後は名前を何度も呼んで腹の上で達すると力が抜けてしまったのかそのまま
胸の上へとしだれ掛かる土方に目を閉じて囁いた。








「ねぇ…、土方君」

「………なんだ?」



「コレ外してくれない?…ちゃんと抱きしめたいからさァ」







息を飲む土方の様子にくすりと笑みを溢したのだった。

やられっぱなしは性に合わない、そんな性分なもので。







**



ゼロの次はプラスオアマイナス?
その次がゼロで、そのまた次もゼロであっても。

歪な二人の始まりは、ここから。

人を好きになって、好きになってもらうのは価値観の壊し合いだと何処かで気付いた気がします(笑)
しかもノンケに同性を好きになってもらうのは、かなりの価値観の齟齬があるので苦労しそうだなァ、と。