impulsive(18禁) | ホスト金時×警察官土方

大好きだけでは足りなくて、愛しているにはまだ自分では到達できていない気がする。
しかし、結局言葉には現せないものだ、こんなに簡単に表現できるものは衝動とは言わない。
そう自分は、衝動的に人を好きになったのだ。
それは、目が合った瞬間に始まったように。




**







「明けましておめでとうございます」
そんな挨拶もそろそろテレビの中ではタブーになってきた頃。
やっと正月休みが取れた、と金時が現れた。


自分も正月などなかったのだから、このシフト通りになるかわからねーけど、といったのに対して
金時も同じように「お互いすれ違いそうだなァ」と残念そうにしていたのだが、いつもワガママを
抑えて真面目に仕事をした結果すんなり休みはもらえたらしい。
常にそうしてろよ、とからかうと無言で唇を尖らせていた。


正月は寝正月にしたい、と常々思っていたがそれは叶わぬ夢らしい。
それは金時もそうだろうけれど。
金時は沢山、角切りになった餅を持っていた。いつの間にか近所で知り合いになった商店街の住民に貰ったらしい。
ネットワークは時に武器になるでしょ?と顔の広さを誇る金時は確かに俺の仕事の
重要な情報ソースになっている。お雑煮か汁粉でも作ろうか、なんていうので。
雑煮を飽きたと言ったら、日本人の伝統の食事なんだから季節感を味わえよ、と言われた。
味わうも何も、雑煮ばかり食べていたらそりゃ飽きるってもんで。
御節も豪華絢爛に作られたのだが、やはりそれも飽きてしまって、ほぼ金時一人で突付いていた。
(正月前に御節は金時が作ったものだ、雑煮は作り方を教えてもらった)




「酒のつまみにゃ昆布巻きと黒豆、伊達巻もいいなァ」
「甘いもんばっか…」
「なにをぅ、甘いばっかじゃなくってツンも好きなんだっつーの」
何の話か、擦りかえる金時に視線を向ければ、ぱくと唇を唇で塞がれた。
目を大きく何度か開閉するとニコニコと笑う金時にべろ、と舌で唇を舐められた。
味見、と言われ口端が上がるのを目を見開いて見つめ、それから顔を赤らめた。
いつもされていることなのに、日常化してしまっている行為なのに今日は酒の回りが早いのだろうか。
お屠蘇と称して付けた日本酒の燗が、

美味しくて飲み進めているうちにペース配分を間違えてしまったのだろう。




「じゃあ取っておき」
そういって出されたのは、焼肉用のパックの肉。
自分では余程じゃないとあり付けない新鮮な肉が差し出され思わず口の中に唾液が溜まる。
これで焼肉しよう、と言って支度支度、と腕捲りする金時。
その背中にコタツに入ったままの俺は「何か手伝うか?」と呼びかける。
くるっと振り返る金時はにィと笑って、じゃもやしの根っこ取りする?ともやしを投げてくる。
コタツに入ったままぬくぬくとしていた自分に勘付かれたのだろうかと

思いながらも、もやしの包みを開ける。
コタツ布団は特に良い物ではないが今年新調した新品だ。
焼肉のもやしは根っこを取る。
焼きそばのもやしは根っこを取らない。
そんな細かいこだわりに自分はつき合わされている。
でも嫌な気はしなくて、寧ろ彼を知っていくことが少し嬉しく感じたりした。
プレートをコタツに設置しながら野菜と肉を運ぶ金時に根っこの取れたもやしを同じように並べる。


早くもお腹がすいてプレートから視線を外さない俺に、金時はクスクスと笑った。


「服を贈ると『脱がせたい』ってなるけど、正月のいい肉はどういう意味だと思う?」
「は?」
「『精力つけて、いい姫始めにしような』ってこと」
「ブ…ッ、…ゴホッ」



茶に咽る俺に脇から背を摩る金時の眸は愉しそうに光っていて。
こうなった金時はもはや飢えた獣のようで止められないことも知っていた。
















「ン、…、…ァは、…きん、とき…ッ」
「…んん、気持ちよさそ。…腰揺れてる」
そう指摘されても最早自分がどうなっているかなんて分からない。
たっぷり時間をかけて慣らされていく身体が何処も彼処も熱くて触れられるたびに背中に電撃が走ったようになっていくのが止められない。
視界が金色で埋め尽くされてぼうと視線を向けると、欲に濡れた赤い眸で覗き込まれた。


正月早々、こんな眸に晒されて身体の奥から奥まで熱くなっていく自体が信じられない。
自分の浅ましさに目を閉じようとすれば柔らかく唇を塞がれる。
溶けたように柔らかく唇が絡んでいる隙に再び乳首を指腹で擦られて背筋を逸らせた。





「…ん、んー、ぁア…ッ」
指で挟まれるようにして揉まれると下肢に熱が溜まり溜まらなくなった。
焦がれ金時の眸を覗き込むと、金時は嬉しいような困ったような顔をして笑った。


「…何処でそんな顔覚えたの?」
正月早々、眸だけでイかされちゃいそう、なんて咽喉を震わせる金時に、

そんな顔してねーと憎まれ口を叩いてしまう。


しかし金時には効果がないようだった。
腿裏を掬い取られて大きく脚を拓いてしまう羞恥に耐え切れず目を閉じると「目を開けてて」と囁かれた。
金色に視界が埋め尽くされる。
毛ぶるようなその金色に甘く解かされて声は止まらない。
頑なに閉じたままだった蕾は柔らかく指腹でなぞられくすぐったそうに口を開いた隙に指腹で入り口の裏側を突付かれる。





「んん、ん、…ァ、…ふ…、はっ…はァ」
慌てて息を吐き出し力を抜こうとする気配が分かったのだろう咽喉を震わせて大きく息吸って、…吐いて、と甘く囁く金時の声。
その声に誘導されるように意識の酩酊、視界が点滅して金時を飲み込むために柔らかく口を開く。
指を第一間接まで沈めさせられ、その節ばった金時の指を一旦締め付けるとそれからの変化は劇的で
焦がれるように大きく口を開けようとする。
ハクハクと息をするように収縮を繰り返す襞を掻き分け指で内壁を擦られ

異物感と圧迫感を圧倒する何かが背筋を駆け上がりヒク、と咽喉が鳴る。





「あァ、…き、んとき…ッ、…ヒ、…ッァ…」
ん、と吸って吐きながら指で内壁を擦られ腰が抜けそうになる感覚に声が止まらない。
指を増やされて目を閉じれば内壁はひくひくと指を食んで振動し

最早自分の意思とは違う場所へといってしまったよう。
息を乱しながら柔らかく解されていく感覚に、内壁は足りなくなる。
ぼやける視線で金時を見返すと「え?」と首を傾ける金時の胸を押し、

横にさせれば抜けた指はそのままに金時の下肢へと顔を埋める。


スウェットのゴムを引っ張ると、金時自身を取り出し口に含む。
その苦いような甘いような感触は、慣れないけれど

口腔内でビクビクと跳ねた反応が嬉しくてもっと咽喉奥に咥え込む。
先走りで光らせていたそこを舌で絡めるように顔を上下にして上顎で擦る。
すると自分も煽られて先ほどから一向に萎えない熱をそのままにチュプ、と濡れた音を響かせる。





「ん、ふ、…ッんん、…」
「すごい、積極的ィ…、ん、…はァ」
眉根を寄せて、口腔内を圧迫するほど大きく育った金時の熱を愛しげに舌先で舐め辿りながら

少し吸い、咽喉を鳴らすと口を離す。
肩で息をしながら、身体を起こす俺に熱っぽく視線を注ぐ金時の腹の上に

ベッドを軋ませながら乗ると先ほど柔らかくなった蕾に自らの指を押し当てる。





「ァア…ッあ、…く……ッ」
膝立ちの状態で尻肉を掻き分けて解れた蕾を指で開かせたまま、

もう片方の手で立ち上がる金時の熱を支え上から咥え込もうとする。
尖端を押し当てただけで、先ほどとは打って変わった質量に腰が逃げそうになるが

、飲み込みたい一心で左右に腰を揺らす。
すると切っ先を飲み込み、腰を下ろしていくと激痛が走るものの襞は収縮を次第に緩め、

自重によって腰はだんだん落ちていく。
腰を支えるように伸ばした金時の大きな掌に臀部を撫でられながら、

膝を折って完全に繋がってしまうと接合部分が生々しく大きく動いた。





「…ッ、…今年は、…俺に尽くしたいってことォ?…ンン…ッ」
「…アァ、…ッ、ん、…ば、か、…今年も、尻に、敷いてやる、って意味…ッ、

ア、…ッひぁ――…ッ!」
大きく下から突き上げられ身体を硬直させてしまい、

腰を支えていた手はいつの間にか両手とも金時の手に捕えられていた。
上下逆さだが握られ、軽く腰を揺すられるとブルブルと震え、内壁は収縮し金時に熱を孕んだまま。
金時は熱に濡れた瞳を悪戯っぽく細めて此方を覗き込んだ。





「…尻に敷くんデショ?…ちゃんと動いて?」
「ふ、…ッ、あぁ―…ッき、ん、…きんとき…、…ッァア…ッ」
震える膝に少しだけ力を込めると腰を持ち上げて僅かに上下に揺らすと

下肢の毛が絡まり生々しく繋がっているのが伝わる。
手首ごと手を引っ張られ身体を深く乗せられると金時も限界のようで膝を立てて腰を突き上げられる。
無意識に逃げる腰を突き上げるように深く奥で繋がり、掌で繋がる。





もう一つ足りない。
そうどちらも思ったのだろう。


金時は身体を起こし片手で後頭部を撫でながら唇を絡め合わせた。
その隙に接合部分が変わりヒクン、と飲み込んだ部分が震える。
舌と舌を絡め、息と唾液の交換をしながらも柔らかく金時の熱を食んだ部分は熱を孕んでいる。





「ふ…、…ンン、…ァああッ、イ…く…ッき、ん…ッ」
「…一緒に、」
腰を大きく揺らされ視界がぶれるのに、金色だけは視界から消えない。













我儘で欲張りな自分たちをどうか神様…見放して。
二人だけなら、もう構わないから。




粉々になって白く濁ったものを混じらわせて同時に溶けていく。


新年早々願うことじゃない、そんなことはわかっている。
それでもこんな時だからこそ、願うのだ。












「…ケツがいてェ…、身体が重い」
良い番組やってねェ、と呪いのように繰り返してしまう。
昨日の酒が残っているわ、身体はぎしぎし痛いわで、
次の日ベッド上での生活を余儀なくされた俺はテレビを見て食事が出来るのを待っている。
昨日十四郎がもやしの根っこ取りしてくれたからサーラーメンでも作ろうかな、

とキッチンへ引っ込んだ。
台所から美味しそうな匂いが漂い、ベッドの上で向きを変える。


クリスマスといい、正月といい無茶しすぎなんだよ、と文句を言いながら

自分が望んだことなのだと自覚させられるようで目を閉じた。













**







手を伸ばそうとしない金時に、手を伸ばしたのは。
憐みではない、同情でもない。…ミツバを失ったからでもない。


それは出会った瞬間に訪れた衝動という名の恋なのだと。


業が深いと言われようとも、この衝動は抗えない。














今年もいい年でありますように。

共にいられますように。



















I feel the first impulse for you this year.