Holly(15禁) | ホスト金時×警察官土方

※ブログで行われたnoah様主催企画「銀魂 de X'mas〜second carol*聖なる夜に大暴走〜」の参加作品です。










恋人がサンタクロースだの何だの歌があって、
いつも見るサンタクロースは駅前で見るパチンコ屋の客引きの店員だったり
鶏肉屋の太った爺さんの人形が着ているものしかみたことがない。
いい子にしてればサンタが来るよ、なんて子供に話す親、
ケーキを配るサンタ。随分サンタクロースは沢山いるらしい。




俺にも昔はサンタクロースが来たのだろうか、なんて深い毛のマフラーに顔を埋めたりした。







**







ピチャ、ン…


音が反響するってことは、と天井を見上げればどうやら家に帰ってきたらしいということと
どうして風呂場なんかに?という思いが錯綜する。
午前様でしこたま店で飲んで帰って酒を抜こうとして風呂に入ったんだった、と思い出し
少しだけ首を振るって抜けたアルコールを確かめる。
いつかアルコール中毒で死ぬかもな、なんて思いながら小さく笑ってしまった。
広めのバスタブに身体を沈めると少し温くなっていたので湯を温めるスイッチを入れると
大きく息を吸って息を吐き出した。

ゆずの香りがして、此間十四郎が疲れが取れるからと差し出していった
入浴剤に心まで癒される気がして自分のアルコールを抜くためにざぶざぶと顔を洗った。
すると脱衣場に人の気配があり、目を瞬きながら其方を振り仰ぐと

シャツとズボンのままの土方が顔を出した。




「…ア、レ?」
「…やっぱり覚えていやがらなかったな…」
自分はまだ寝ぼけてるのかと思ったほど、一番逢いたい恋人の姿が其処にあった。
シャツを腕まくりしながら風呂場に入ってくる土方に首を傾けて其方へと

視線を向ければ、手に何かを持って…。




「ぐえッ!?」
「テメーがべろべろに酔って帰ってきて、髪の毛洗ってだのなんだの

言って泣きつくからやってやるんじゃねェか」
首を押さえられ仰向けにさせられると、強引に髪の毛を濡らされた。
乱暴な手つきながら、我侭に応えてくれるなんてどれだけ甘い恋人なんだろうと見上げれば
視線が合い、スッと視線をそらされてしまったが。
その前に少し目元が赤いことに気付いたのだった。
それを隠そうとする土方に笑みを深めながらも、やはり土方の手の内で

良い様に甘やかされる自分を自覚するのだった。
余分な水分が絞られ、シャンプーの柑橘系の匂いがする。
無香料のシャンプーではなく、柑橘系のシャンプーも土方と出かけたときに買ったものだった。
いつの間にかこの殺風景で何もない空間に土方と買ったものが溢れてくる。
いつか互いの部屋が互いのもので溢れたらいいのにね、なんていう俺にアホか、と言いながら
笑みを深める土方に口付けた。
シャンプーが髪の鳴らされていき、土方の指が地肌に届く。
泡立てるように髪が洗われていくのを目を閉じて息を吐き出すと、

ゆっくりと髪の毛が梳かれていくのを感じる。
土方の指が耳元まで掛かりそれがくすぐったいのか

気持ち良いのかわからない感覚に目蓋を震わせてしまう。




「…お前の髪、…本当に綺麗だな…」
「…え?」
「い、いや。なんでもねェ」
シャワーの音にかき消されて聞き返しても教えてくれなかったが、泡を流すように
少し乱暴に手を動かされてそれが照れ隠しなのだと気付いた。


ククク、と咽喉を震わせていると、シャワーで顔にお湯をかけられる。




「ブッ…」
「…テメーが悪ィ、…あ、…コラッ」
ぽた、と雫を零しながら目を掌で覆いながら、シャワーを奪おうと手を伸ばすと

まさかそうなると思っていなかったのか慌ててシャワーを手の届かないところへ

戻そうとする土方とシャワーの奪い合いになった。
濡れて濃くなった髪はそのままに手を伸ばしてホースには手が伸びるため引っ張れば、

ノズルが上を向き二人の上にシャワーを降らせた。
いい大人同士がすることではないが、それが愉しくなってシャワーを掛けると、シャツとズボンを
まだ身につけていた土方の服はびしょぬれになった。
それでも止めない水掛けに悪ガキのような笑みに咽喉を震わせながら、互いに愉しくなってしまう。


いつか、クリスマスの奇蹟のようなこんな出会いに終止符を打たれてしまったら。
自分はどうなるのだろう、笑いながらもこれが今クリスマスの奇蹟が見せている夢だとしたら。
そんな気持ちに土方はとっくに気付いているのだろう。
それを払拭するように手を伸ばしてシャワーのお湯が掛かる中そんな自分を抱きしめる。
払いのける力があるのは互いの熱だと気付いているからに他ならないから。




「は、ぁ…あアッ、ん。き、んとき…ッ」
「声が反響して、…なんかいけない事をしてる気分…、…ねェ?」
指で解すように土方の内壁を、指腹で擦れば掌で必死に抑えているのに

声が漏れてしまうと首を振る。
もどかしげに水を吸った服を脱がせながら口付ければ、土方の身体も火照っていて

俺を求めてくれているのだと思って嬉しくなった。

口付けを強請ると、柔らかく唇を食まれ悪戯げに舌先で歯茎を舐められる。
植物成分配合のボディソープはこんなときに役に立つよなァ、なんて耳元で囁けば
全身を赤らめた土方が睨むのを湯に膝まで浸かりながら小さく笑う。
バスタブの淵に手を付いて此方に尻を差し出す格好のままの土方に

舌で解していた狭間に掌に零したソープを垂らしていくと、冷たい感触にキュと閉まるのが見え、

そのまま指腹を押し付けるように動かす。
蕾は指の動きにぴくぴくと震え一生懸命開こうとしているかのようで思わず咽喉を鳴らした。
反響するのは声だけではなく、いつもは音もしない蕾の動きすら濡れた音を響かせそうなぐらい、
それほどいやらしくて視覚でものぼせてしまいそうだった。


互いに熱くなった身体を抱きしめあうのはいつも不安だからではないはず、なのに
心に浮かんだ不安を押し流してくれる。
濡れた髪から毀れるお湯が土方の身体を濡らしていく。
指に解けるほど柔らかくなった蕾が開いて自分を誘う、世界で一人だけになったとしても自分は。




浴槽の底へと身体を沈め、柔らかくなった箇所へ向かい合わせで抱き合いながら入り込む自分の熱に
質量の違いゆえか始めは拒絶するように締め付けていたがやがて奥へと飲み込む。
土方は涙を零しながらも、震える指を自分の身体から離そうとはしない。
それどころか跡が付くほど食い込む指に咽喉を鳴らしながらゆっくりとリズムを合わせる。
互いの身体がお湯を波立たせるが、もう互いしか見えていない。
脚を開かせるため内腿に手を掛けたまま揺さぶると声を上げずに仰け反る。
擦り上げる内壁は強弱をつけて締め付け、どちらも慌てずしかし確実に同じリズムで駆け上がる。
この存在と逢えたことが奇蹟と言うなら、どうか。




「ひ、ァ…きんと、…ッァあー…ッ!」
「ん、ん…とうしろ…、…ッ」
息を飲み、互いのリズムが合わさり、互いに名前を呼びながら果てを見る。
熱は互いの身体から引いていくがそれでも、抱き合う時間は掛け替えのないもので。
互いの身体を温めてくれるのはお風呂のお湯ではない、やはり互いの体温だと気付くのだ。


口付けられ甘やかされる。
それでも悩みの種は尽きないけれど、それをひっくるめて傍に居ることを願った。













「洗髪がすっげー代償だったぜ、ったく」
そういってソファに寝転ぶ土方に空調を設定しながら、飲み物を持って戻った。
それも照れ隠しだと分かっているので敢えて何も言わずに水の入ったコップを

差し出すと礼を言って受け取った。
BGM代わりに流しているテレビから明け方にも拘らずクリスマスソングが流れて、

クリスマスだということを自覚する。




「ねェ土方は、サンタクロースって信じる?」
「…え?」
俺、昔も今もサンタって逢った事がないんだよねェ、と言って土方が寝転ぶソファに座る。
プレゼントを運ぶサンタクロースは、自分にとって憧れの象徴なのかもしれない。
気付いたときから一人だった自分にはサンタクロースは来なかった。


サンタクロースは、傍に誰かがいなければ来ないのだろうかとさえ思った。
クリスマスツリーや靴下、ケーキにご馳走。
確かに独りでは用意できない。
歪に描けたツリーを飾ってもサンタクロースには気付いて貰えなかった。
ここにもいるよ、と主張した声も届かなかった。
それを思い出して少し切なくなれば「ばーか」と悪態を付かれながらも

両腕を伸ばされて抱きしめられた。




「そうさなァ、…サンタって奴がお前をずっと俺の傍から離さないって言う

プレゼントをくれたら信じてやっても良い」
叶えてくれるか?とまだ濡れた髪の毛をかき上げられ、

いつも沢山のプレゼントをくれるサンタクロースはクリスマスじゃなくても傍にいるのだと知る。


互いの傍に、ずっと。




目が覚めてしまえばいつか消えてしまうクリスマスの奇跡より、

互いの確かな温もりのほうが何倍も良い。




「ケーキでも食べようか?」
照れ隠しにそういう俺に、土方は小さく笑って再び口付けを強請った。


口付けの最中に囁かれる。




「ケーキよりお前がクリスマスプレゼントなんだろ?」
だったらもっと食わせろよ、なんて誘うように彩めく眸に今度こそ笑みを深め、抱きしめ返した。


甘やかしてくれる、この優しい腕の持ち主が傍にいてくれることが、奇蹟。
サンタクロースに一生会うことは出来なくても、

この存在がずっと傍に居てくれるならば他に何もいらない。


互いの存在がサンタクロースのように喜びをくれるから。




机に置かれたスノードームの中のサンタクロースがトナカイが引くそりに乗り、

何処か笑っているようにみえた。


それはクリスマスの夜に起きた、ある一つのお話。













**








サンタクロースは、誰にでもやってくるから。
そう耳元で囁く恋人を抱きしめる。
甘く蕩けるような夜に。
















The miracle of Christmas comes over even to whom.




Merry Christmas!!