heat of the heart(18禁)│3Z銀八土。夏の熱気は人の理性をダメにする。

身体をじりじりと焼く、夏の日差し。
容赦なく照りつける太陽の光りはまともな思考を狂わせる。
陽炎のように立ち昇る暑気が、身体中を巡ってショートさせる。
汗となって流れ落ち、そして地面に帰るまでそれはぼんやりとした熱病となって身体を支配するのだ。
夏休みの出校日、部活では何度も来ているが、制服で教室まで来たのは久々だと感じていた。
と入っても夏休みはまだ一ヶ月もある。
それをまだと捉えるか、もう、と捉えるかは感じ方次第である。
課題の提出や簡単な夏休みの健全な過ごし方など全校生徒を集めた長々とした校長の挨拶の後、教室へとダラダラと歩きながら戻る。

「…しかしっあっちぃなぁ〜」
「そうだな…」
隣を歩いている近藤さんが窓の外を見ながら何十回と呟く言葉を再び口にする。
口を開けば「暑い」と口にする、この季節柄、何の言葉よりも先に出てしまうのは仕方ないのだろう。
そういったところで涼しくなるわけではない。
ただ誤魔化したいだけなんだと思いながらも、再び口にする。
教室へと戻れば、其処もそれほど涼しくもなく、窓は開けられているが風が少しも入ってくる気配はない。
皆暑そうに下敷きや置き教科書で煽っているが、焼け石に水、といった風体だ。

「…今日は、部活もありやせんし、皆でプールにでも行きやせんか?」
「おう、イイよな?トシ」
「あァ?良いんじゃねェの?」
「土方さん、まさか生理が来たんじゃありやせんかィ?」
土方さんが、生理来たってよーと教室で大声を張り上げる総悟に「ダァアアア!!」と声を上げて制止する。
バタバタと抵抗する総悟に、コイツはいつだって俺を貶めるためなら努力は惜しまねェ、と溜息をついてしまう。
身体中が熱く感じるのは、夏の暑気のせい、そんなことを思っていた。
(…久しぶりに遊んで、水に浸かればそんなこと忘れてしまうに違いない、な…)
総悟や近藤さんに向き直り、同意を示そうとすれば前の扉が開いて銀八が教室に入ってきた。

「ブゥウウウウ!?」
「あ、なんだよ。その反応はよ。スーパークールビズ、今年の最先端だろーが」
誰が吹き出したかわからない、しかし俺も同じように仰け反ってしまった。
その時突っ込みが咄嗟に出てこなかったのは、志村弟の突っ込みが誰よりも早かったからに他ならない。

「アンタ、学校になんて格好で来てるんですかァアアア!!!」
「んー?ちゃんとズボンもシャツも着てるだろーが」
そう言いながらシャツを摘み上げれば、ほぼ胸元から腹部まで全部見えてしまう。
あっちぃんだよ、そう言いながら二番目のボタンのみを留めただけのワイシャツにズボン、サンダルの格好の銀八はだらしがないを通り越してしまって。
何処か見てはいけないものを見てしまっているように猥らだ。
いや、そう思っているのは、あの身体に何度となく抱かれている俺だから言えることなのかも、と其処まで考えて顔を赤らめてしまった。
その顔を目敏く見つけた総悟は、小さく笑って「土方さん、暑そうですねェ」なんて呟いた。
コイツは、俺と銀八のことを気付いているのかいないのか、ちょっかいを掛けてくるポイントがダイレクトだ。
何か言うと、コイツを喜ばせてしまう気がする。
ムッツリと黙ったまま、赤くなった頬をゴシゴシと手の甲で擦った。
銀八は、此方をチラッと窺って少し笑ったようだったが、俺はそんなこと気付く余裕もない。

「夏休みが受験のキモだからなァ、はしゃぎ過ぎて先生に迷惑掛けんなよォ〜」
以上、といって短いHRが終わり、各々が立ち上がり出て行く。
鞄を掴み立ち上がれば、近藤さんと総悟の後に続いて二、三歩歩いたが、ふとその場で立ち止まってしまう。
その直ぐ後ろを歩いていた山崎が驚いて立ち止まった。

「…土方さん?」
「…わりィ、用事思い出した……ッ」
そういって、他の二人にも謝ると廊下を走ってく俺の背中に、三人の呆気に取られたような視線が突き刺さる。

しかし、俺はそれに構っていられなかった。
夏の暑さが、身体中の体温を上げている、…それだけではない。
そんな風に気付いたのは、…否、気付かされたのは俺だけじゃないと確信したからだ。
廊下をバタバタと足音を立てて走る。
夏休みの出校日とはいえ、HRが終われば帰宅する生徒が多い中、俺は一人校舎の奥へと入っていく。
それが、ぱっくりと開いた魔物の口の中であろうとも、掴みかかって文句を言わなきゃ気が済まない。
そう、俺は文句を言いに行くのだ、そう自分の行動に理由をつけて走ったのだった。
で、なければ、全てその魔物の手の内で転がされていると認めるようなもんだったから。
それはどうしても癪だった。
3年Z組の担任の銀八は、白衣と眼鏡と天パな銀髪がトレードマークで、学校中でも有名な教師だ。
しかし、外見がふざけているなら内面も相当ふざけたヤツだった。
教室内で煙草を吸うわ、菓子を持参するわ、ジャンプを教科書代わりにするわ、めちゃくちゃな教師だ。
しかし、押さえるところはきっちり押さえているため、クラスの纏まりは強い。
一学期を終えるころには、このクラスを押さえ込むには丁度イイのかもな、と思い始めていたのだ。
担任の銀八とただならぬ関係になったのは、偶然とも必然ともいえるのかも知れない。
初めに好きになったのは、どちらだったのか今ではあまり思い出せない。
でも、深く嵌ってしまったのは俺、なのかも知れないと気付き始めていた。
惚れた方が負けなんていうのは絶対嘘だ、深く嵌った方が負けなんだ、そんな簡単な図式に気付いてしまった。
俺を気遣う振りをしながら、実は教師と生徒という関係に今更及び腰になっているんじゃないか、そんな風にも思ってしまう。
大人はずるい、そんな風に心の中で罵っても口にしたことはない。
最後の最後で、俺を気遣ってくれている事は分かるから。
しかし、それとこれとは話が別だ。
夏の熱に浮かされるように、自分の全身も熱に浮かされっぱなしなのだから。
国語準備室を引き開けると、その音に驚いたような、それでいて確信めいたそんな笑みを浮かべる中の人物は気だるげにアイスバーを齧っていた。

「わァ、びっくりしたァ…、おま、ちゃんとノックしろや」
「俺のほうこそびっくりだわァアアア!!!何だ、その格好はァアアア?」
「ム、ふ、ご、ふご……」
アイスバーをかみながら言われた言葉は、先ほど教室でいった言葉だと分かっているから、肩を落とし溜息を吐くだけで終わった。
戸を閉めて、ずかずかと部屋の中へ通し入れば銀八はアイスを口にしながらも此方に身体を向けて、桟に凭れかかった。
暑い陽射しを背後にしてるとそれだけで先生の背中も暑いんじゃないかと思うが、それも全て推測である。
ひらと翻ったワイシャツは未だにボタン一個止めだし、ネクタイすら巻いてないし、猥褻物以外何者でもない。
警察官になったら、絶対しょっ引いてやる、そんなことを思ってしまう。
甘いものを好み日がなゴロゴロしているだけなのだというのに、鍛えられた胸元や腹筋が覗く。
夏の暑気に当てられて体が熱い、…否、今身体が暑いのは、そのせいだけではない。

「……、どーかした?」
アイスキャンディを手にして、唇を吊り上げる銀八は何かも知った素振りで視線を向けてくる。
背筋を流れ落ちた汗は、どういった種類のものか俺には全く分からなかった。

「…、ふ、くくっ…、なァに、熱いのにもっとアツイもの欲しがるってェ…」
「…ッ、うっせェ、…よッ」
桟に腰掛けた銀八のベルトを強引に緩めると、ジッパーを弾いて取り出した銀八のペニスを口に含む。
まったくを持って自分の行動だというのに、自分のことがよく分からなくなってしまう。
肉茎を指で辿ってそっと指で擦りながら尖端を吸うと、尿道の入り口はぴくぴくと動いて主張する。
初めて含まされた時は、あまりの大きさにえづいてしまって上手く出来なかった事を覚えている。
それを大丈夫大丈夫、なんて言われながら頭を撫でられて、余計に男の矜持ってヤツにヒビが入った。
元来負けず嫌いが災いして、焦らすように口の中へ入れずに舌先で表面を舐める。
まだ余裕めいた笑みを浮かべて、アイスを舐めている銀八を見上げれば視線がかち合って眉を顰めた。
硝子越しの瞳に宿る欲の熱が、チリ、と此方へと注がれるのが分かる。
今に見てろよ、と根元をゆっくりと指を這わせながら先端を吸い顔を上下に動かし口腔の内壁に押し当てる。
手順が無意識に銀八にやられた通りなのが悔しいが、仕方がない。
こんなことは、銀八以外にしたことも、されたこともないのだから。
半分溶け掛けたアイスキャンディを舐める銀八のペニスがぴくぴくと反応して、少しだけ気分を上げて視線を向ければ視線がかち合った。
溶けてアイスキャンディが伝うのを、銀八が視線を寄越しながら舌で舐めるのを見つめてしまえば、まだ緩めてもいない下肢が疼くのを感じた。
(…ヤ、べ………、…)
チュル、と唾液とアイスキャンディが絡まる音が頭上に響き、思わず視線を逸らして再び咥内のブツに意識を集中する。
しかし集中すれば集中するだけ、下腹部が重たくなるのも押さえきれず隠すように床に膝を擦り付ける。

「…土方くーん、…もう流石に隠せないよ?」
「………、………」
此処に来る前から、発情してたくせにィと口端を吊り上げる銀八は、銀縁の眼鏡の内でまるで獲物を捕らえた捕食者のように笑う。
適わない、それに自分は歯噛みしながらも「ドウブツじゃねェ」と素っ頓狂な口答えしか出来なかった。
いつの間にか食べ終えたアイスキャンディの柄を揺らしながら、俺の口からペニスを引き抜いた。
先走りと唾液が入り混じったものが俺の唇を濡らし、更に隠すことが出来なくなった俺は床で腰をつけたまま眼を閉じた。
先生の腕に掬い上げられて、逆に机に寝かされると、制服を中途半端に脱がされてズボンを下着ごと取り払われた。
その途端引き出されるペニスが、僅かに濡れて固くなっているのが眼前に晒され言い逃れは出来ない。
それでも、こんなチンケなガキの身体を見て、僅かに銀八の目の奥が焼ける様な熱を帯びたのを見逃さなかった。
少し離れた銀八が手に持ってきたアイスキャンディに「まだ食うのかよ」と心底呆れながらも、自分だけが乱れているのが恥ずかしい。
すると銀八は包みを破って捨てながら、取り出したアイスキャンディを持ち上げて、にやりと笑う。
(あ、…なんかスゲーやな予感…)
また目の前でアイス食われ、ただそのまま放置されるのも堪らないが、何より。

「………、…ぎ、んぱち…?ひ、ぁ…ッな、つめた…ッ」
「土方くんが羨ましそうだったからさァ、…ちゃぁんと食べさせてあげる」
「や、や…ッぁあ…ッせ、んせ…ッ…ッ」
下のクチ、アツイから直ぐ溶けちゃうかもねェ、なんてのんびりした口調に入れられたものの存在を知る。
冷たくて硬いそれは先ほどまで銀八が咥えていたもの、しかし言葉通り既にヌルヌルとした感触を伝え溶けているようだ。
それでも硬い先端が前立腺を掠めていけば、思わず咽喉を逸らしてしまう。
冷たいのに熱い、そんな両極端の感覚が内壁を擦っていくのをぞわぞわとした感触が怖くて銀八に縋るように手を伸ばす。
届いた銀八のワイシャツに手を込めると、頭上からクスクスと笑みが聞こえて思わず睨む。
眩しいのか何か分からない感情がごちゃごちゃで勝手に瞳が曇って潤んでいくがそんなのには構っていられない。
俺ばかりが銀八に煽られて、そんなのは勝手過ぎる。
俺の拙いフェラなんかで勃っているくせに、俺の薄っぺらい身体なんかで反応しているくせに。

「…わ、アイス溶けて中から白いの、毀れて来たよ、ひじ…、え?」
「…こんなんじゃ、足りねェ…ッふぁ…、ぎ、んぱち…ッ」
上体を起こすと俺の中にアイスを突っ込む手に制止するように縋れば、眼を丸くする銀八に羞恥が込み上げる。
でも遠慮はしない、子供の我侭が言えるのは後数ヶ月だって分かっているから。
半分以上溶けて中で熱くなる白い液体にてらてらと混じってひくひくと襞が蠢くのが分かった。
そうして、銀八の咽喉がごく、と音を立てるのも見逃さなかった。
そうそう、いい大人がガキの身体に欲情してるつーのも、イかれてんだからな?
そう口端を吊り上げれば、何か心得たように銀八の眸が薄い硝子越しに愉しそうに細められたのに気付くのだった。
イかれているのは、お互いだろなんていうように。
四つんばいにさせられ、散々異物を突っ込まれた其処は紅くなっているんだろう、再びゆっくりと指で内部を探られる。

「ふ、ぁ…ッ、や、やだ…ッ、それ、やだぁ…ッ」
「んー、ちょっと我慢しろ。うわ、お前の中、アイスでどろどろ」
指を出し入れされながら、時折生暖かいものが触れるのは、銀八の舌だろうか。
汚い、と言いながらもそれから開放される術はないし、そういって逃れられたためしもない。
冷たかったアイスも既に熱で溶けて銀八の指を回されるたびに濡れた音を立てる。
その音に耳を塞ぎたくなったが、もう腕に身体は昂ぶらされるだけ昂ぶっていて背後の銀八に視線を向ける。

「…はや、く…銀八、の……入れろ、ってば…ッ」
「いつの間に覚えちゃったのかねェ?…はーい、じゃあお邪魔しますゥ〜」
そうふざけた銀八の声音に歯噛みしようと、視線を向ければ、その視線に目を見開く事になった。
俺の誘い文句なんかに真剣な表情を覗かせた、その眸は口惜しそうな、それでいて雄の表情を覗かせていた。
先生もそんな顔をするんだ、なんて純粋な驚きで身体の向きを変えようとすれば見るな、と言わんばかりに押し付けられた銀八の熱。
その灼熱が埋められていくと、その衝撃と熱に付いていた手の力が抜ける。

「あ、あ―…ッ、ぁあ…ッ銀、八…ッぁあ…――…ッ!」
声を堪える事が出来ずにもみくちゃにされた気持ちごと真っ白になっていく。
マダオなんかの肌を見ただけで欲情するんだよ、悪ィか。
腰を揺らしてやれば、腰と尻を無造作に掴んでいた銀八の手の力が込められる。

「…性質が悪ィね、ェ?……、」
「ぅあ、あ…ッ」
ぐるっと向きを銀八の両腕で返られて向き合うように再び抱き締められ突き上げられれば、苦しい体勢だというのに銀八に縋るしかなくて。
世界がグラグラと揺れるとに、妙に鮮明に映る銀八はいつの間にか眼鏡を外して、此方を見つめていた。
その真剣な、それでいて欲の滲んだ眸を見つめていると、途端にぐんと腰を強く動かされ、最奥を何度も突かれ。
互いの罪を互いの身体で共有しているようなそんな気がして、目を瞑れば最早声無き悲鳴は互いの咥内へと吸い込まれていった。



「………、…ッ」
ふいに、声がして意識は戻ってくる気がした。
銀八が相変わらず服を肌蹴た状態で煙草を咥え窓際に立っているのが、寝ている場所からも確認する事が出来た。
その横顔は、授業中見るものでも、こうやって二人でいるときにも滅多に見ないほど真面目な顔。
それがどうしてだか分からないが、再び熱にキた。
俺の変化を俺よりもいち早く感知した銀八はニヤニヤと猫のように笑いながら俺に近付いた。

「……、もう一回?」
くす、と笑いながら呟かれる言葉を塞ぐために、俺は顔を近づけて噛み付くように口付けをしてやった。

一回で足りると思うなよ!?



夏の日差しに身体も脳内も溶けるなら。
全てを夏のせいにしたっていい。
もうまともに思考だなんて働いていないのだから。

試験前熱で蕩ける頭で書いたことは覚えているんだが、なぜかこんなに遅く…(遠く)
銀八は若い土方君に搾り取られるといいと思います(作文?)