the Chocolate of the my small heart【後編】(18禁)| 銀八先生×高校生土方君

いつか暴かれるのを待って
食べれるのを待って甘く香るチョコレートはナッツとビーンズの
高級嗜好品で。包みを開ける人間が
いることを信じてひたすら待つことしか出来ずに。

それなのに心が揺れてしまうのは何故?




甘く溶けそうなその思いを自ら伝えようとすればするほど
自分の気持ちが分からなくなるのは
チョコレートの香りに脳が浸されているからだろうか。







**










向こうから好きだと言われた。
それに俺はいつの間にか安心していたのかもしれない。

自分だけを好きでいてくれる保証なんてどこにもないのに。




教室の中で向き合う銀八と猿飛に足が竦んでしまった。
廊下から覗ける窓から見えた瞬間に動かなくなってしまったというように。
その場から離れるべきだろうと思っても、気にせず入るべきだろうと思っても
身体が動かずに。どくどくと心臓が煩い。




まるで全身が心臓になってしまったみたいだ。



「…先生に手作りのチョコレート作ってきたんだゾ☆」

「手作りぃいい〜?なんか呪いとか籠めてんじゃね?寧ろ納豆くせーんだけど!?」

「先生と私が絡み合う仲をイメージして作ったんだゾ〜〜」

そのまま銀八の抱えている箱に入れようとするのを箱を抱えたまま銀八は
入れられるのを阻止するように手でガードする。


「だァアアっ、いらねーって言ってんだろーが」

「で、でも…先生昨日…」

「俺はァ、…アイツからのしかチョコレート貰う気はねぇんだよ」



(……、…え…?)

その言葉に俺は耳を疑う事になる。

無類の甘い物好き故に甘味確保のためにそう言っていると信じて疑わなかった。
もしかしたら、チョコレートをくれる様な女がいいんじゃねェかって心の隅で
疑って勝手に、一人で空回ってた。

燻る思いは苦しくて、自分をどんどん嫌な奴にさせていくようで。
それはまだ自分でも認識できなかった嫉妬で。
小さな心から生まれた先生のことを独り占めしたい独占欲が燻っている事に
後に気付かされる事になる。


ってことでお前は帰れ、と冷たく言う銀八の声に、すぐに開き直りながらも
「…先生の馬鹿ァア、でもそんなところも好きィイ!!」なんて
捨て台詞を吐いて教室を飛び出していく猿飛に思わず身を小さくすると
反対側だったからか気付かれずにいたけれど…。

鞄が残っている事も気付いているだろう、どうしようと思案しようと再び教室へと
視線を向ければ箱を抱えたままの銀八がいつの間にか此方へと視線を向けていた。

(……、……ッ!)

「…ねェ、何時までそこに居る気なの?」

くすくす、と笑みを零して挑発染みたそのからかう声に何時から気付かれていたのだと思いながら
渋々と身を晒すと「邪魔して悪かったな…」と小さく呟いて視線を向けずに自分の机へと
向かおうとすれば、箱を抱きかかえたままの銀八は小さく笑った。

「…上手くいかねーもんだなァ…、」

「え、…?ちょ、…なにす…」

割りと我慢できた方だっておもわね?なんていいながらいつの間にか箱ごと
近づいてきた銀八の腕に掠め取られる。
意味が分からずその手からら逃げようともがくががっちりと掴まれていて
動けない。何より学校でこんなことをするなんてありえない。
なのに、ほぼ真後ろから抱きしめられるようにしてしまった。
いつもは自分から接触を避ける銀八であるのに。
というよりも自分を守ってくれていたこと、本当は気づいていた。

本当は告げられることもなかった思いを口にして謝った銀八がこの教室で蘇る。
好きだなんていわれて、その言葉に驚くばかりだったの自分の。
でも驚くばかりでも自分が気にしていなければ、そこで気持ち悪いといえば
そこでなくなっていた筈の思いだった。
それなのに引き止めたというのは自分も気になっているからで。
腕に力が込められて先生の熱に数週間触れていないことに気づく。
それに先生の匂いにギュッと目を閉じてしまう。

夕暮れから夜に掛けて暗くなっていく外を抱きしめながら暫く見ていた。



「ねぇ、俺のために買ってくれたんでしょ?」

と制服の上から探られればくすぐったさに思わず捩ってしまいながら
「買ってねーよ…」と嘘をつく。それでも撫でられ擽られ笑いながら折れてしまう。
空の箱を振って寂しがる先生が可哀想になってしまったので。

「何で箱用意してんだよ…、…てっきり…」

「てっきりィ?…こうしたほうがお前が入れやすいかなーと…」

「…ぶっ、何だ、それ」

笑うなよ〜と顔を赤くする銀八を見つめ心が軽くなるのを感じた。
思わず笑ってしまいながら鞄から取り出した箱を、机に置かれた箱に入れようとすれば
顔を赤くしながらむぅと唇を尖らせる銀八は早速反撃を仕掛けた。



「てっきり、チョコレート、誰かから貰うと思った?」

「…、……、…別に糖分確保なら誰から貰おうと…、気にし…」

「してたくせに、ずっとこの箱から視線外さないでくれたんだろ?」

黙ってしまいながらも、手に持っていた箱を奪い取った銀八は「ありがと」と
嬉しそうに笑った。
それにくすぶっていた気持ちや焦れたように自らを焼く気持ちが溶かされていくように
感じて、咄嗟に「勝手に取るなよ」と言いながらも笑ってしまった。
箱を開けて、出てきた小さなチョコレートに本当に嬉しそうに笑う。


「…先生が、誰からも貰えないんじゃ可哀想だったから…」

そんな風に嘯いてそっぽを向けばチョコレートを摘んでくすりと笑う銀八は
低く潜めた声で呟いた。



「ねェ?お返しは俺でイイ?」

「…え?…っもがッ」

色気ねェなと笑いながらも摘んだチョコレートを己の口へと押し付けると
話すために開けていた口の奥へと小さいため押し込まれてしまう。
それに驚いていると銀八の口で柔らかくその唇を塞がれる。
そのまま柔らかくて甘いチョコレートは互いの口の中で溶けてしまう。甘い
熱いその口付けは次第に深まっていく。
唇は甘いチョコレートの味が互いの唇からなくなっても続いていた。



「ふぅ…、……ぅう…、ッ」

「ん…、……」

舌が絡まり机に座らされても、仰のいて唇は捕えられたまま
心ごと溶かされていくようだった。
机がガタと音を立てても唇は離されないまま、強く吸われ目眩がして
一瞬ここがどこか忘れてしまった。
そのためか、こんなところでと拒絶する腕は柔らかく絡んでしまい白衣の背に
力を込めて抱きついてしまう。
その腕を振り解かれずそのままさらに身体を寄せ合うと目を閉じて拙い動きで
舌の動きを舌で追えば、舌を絡め合わされて喉奥を突く動きで
身体を痺れさせてしまうとその動きに目を閉じてしまった。

「ちょ、…や…ッ…せんせ…」

こんなところで、と諌めるようにぎゅうと背にしがみ付けばくすりと笑った銀八の顔は
悪戯っ子のそれで。



「声、上げなきゃバレねーよ」

そう囁かれて首筋に口付ければ、背筋を駆け上がる何かを感じて再び目を閉じてしまう。
そのままつる、と首筋を舐め辿られてその官能的な動きに全身を震わせた。




「あぁ、…ンン、…はァ……ッ」

「…しィ。…声大きい」

「…し、しかたな…、ぅあ…や、…やだぁ…ッ」

窓際のサッシへと凭れさせれば、あっという間に銀八の顔が下がってズボンの前を
寛げさせられた。巧みな口付けで半ば反応を見せていた熱は
掌で突かれながら取り出され下着ごとズボンは汚れないようにずらされ
扱かれればすぐに熱を帯びて固くなっていく。
尖端が口を開いたようになっている部分を唇を押し付けるように口付けて吸うと
ブルブルと震えて頭を振りながらもカーテンから手を外さなかった。
自分たちはいまカーテンに覆われて簡単な密室の中だ。しかし薄い幕の外は
いつも勉強をしている教室で明かりが煌々と付いていれば誰かが来るかもしれない
と思いながら下肢を熱くしている自分はどうかしてしまったんだろうか。

声を堪え切れずにカーテンと共に銀八の頭にしがみ付くと、熱を口に含んだまま
「痛い痛い」と呟くのだが、その隙に歯が当たってビクと体が震えた。
背が付いている窓ガラスが身体の熱で時折曇ったように白くなる。
拒絶の言葉を吐きながらも、腰を突き出すように深く銀八の咥内に含まれたそれを
銀八の咥内に擦りつけてしまう。


「んん…、っふゥ…、…ぁッ!」

じゅ、と泡立つような音がして殆んど堪える間もなく前を弾けさせてしまうと
喉奥でそれを受け止めて喉を鳴らす生々しい音が下から聞こえ
肩で息を洩らしながら見つめれば銀八は唇を白く汚しながらも視線を合わせてくる。


「…気持ち良かった、…みて―だなァ」

味も濃いし、受験で忙しくても抜いとけよ。なんてからかうように言われてしまえば
力の入らない手で頭を叩こうとするものの威力が足りず。
そのまま口付けられれば苦味の中に先ほどの甘いチョコレートの香りがするようで
思わず舌を出して強請ると舌を絡められた。濡れて湿った音が響き渡りながら
立ち上がった銀八にズボンを引き落とされて裸の尻を柔らかく揉まれ
ギクと大きく体を揺する。

ベッド以外の場所でそこを弄られるのは初めてだというように腰を揺すって
しまえば、銀八は胸ポケットから何かを取り出して歯で破いた。
それを掌に向かって逆さにすれば粘っこい液体が掌に溜まり。



「…?…」

「…バージンオイルって書いてあるって。…ちゃんと慣らしてやるから」

「…はぁ…ッ、んんん〜〜〜〜…ッ!」

驚いて指を締めつけようとしても指がオイルの働きでどんどん奥へと
進んでいくのを止められず違和感以外の症状なく含んだ指が増やされても痛みは
全く訴えなかった。

やがて掻き回されていた内壁から指を引き抜かれるとそのまま
銀八の熱が取り出され今まで指二本でかき回されていた個所に押し当てられると
そこは物欲しげに一度大きく口を開けた。
ぐっと押し当てられるとあまりの質量の違いに一瞬拒絶するように固く閉じかける
もののオイルで十分湿らされているからか濡れた音を立てて突き進む自身を
立ったままの姿勢で正面から受け入れている。
いつの間にか下半身を覆うものがなくなり大きく足を広げられてなお且つ片足のみ
足を曲げて、膝をサッシに上げてしまうようにされると尻の穴も晒される淫らなポーズ
をさせられるものの全く熱は留まらず。


「ひぁ…ッ、…ん、……銀、…、ち…ッ、…あぁ…ッ!」

強く突き上げられて大きく揺さぶられると片足で突っ張っていることが困難になり
相手へとしがみ付いてしまうと
サッシを掴んで腰のみを揺さぶっていた銀八の手が腰を支えるように回され
その熱に腰の熱を熱くすると、切羽詰まったように「あ…あ、あっあ…ッ」と
声が漏れてしまう。
それに、限界?と呟いた銀八の腰に強く揺さぶられ意識を失くしそうに何度も
なりながらもしがみ付いて内壁は蠢いて銀八の熱に絡んで。



「…ぁアッ、…銀、八ィ…ッ、…ゃぁああ―…ッ!、…ん」

「は、…ぁッ…、…たまんねぇよ、…十四郎ォ…」

口付けられ腰を柔らかく揺すられると残った蜜まで吐き出させてしまい
恍惚とした表情をしながらがくり、と全身の力が抜けてしまった。



いつも翻弄させるこの存在にいつの間にか、振り回されて翻弄されながらも惹かれて
いったこの心は。

チョコレートの様に溶かされて目の前の甘党の男に全部飲み干されるのが
目的で。チョコレートになれば不安もなく一緒になれる。
でも手を繋ぐこともできないし、キスもできなくてこうやって抱き合うことですら。
気持ちを消化できずに燻りながらも見っとも無くしていても抱き合える腕を
もつことの幸せを。

(今まで、…俺は何か返せていたのだろうか…)



軽く揺さぶられるような振動に目を覚ませば銀八の背に背負われて
いた。腰や足が信じられないほど痛いが、銀八の背が温かく
ホッとしながらしがみ付けば「おー起きたか?」と問いかけられて小さく頷いた。



「今日は車で来てて良かったわ」

「は?…」

「…お返しは3倍返しって決まってるだろーが」

まだし足りねぇよ、なんて悪戯っぽく笑われて、去年の夏の笑みを
頭の中へと思い描く。あの時のように月は出ていないが、それでも
多大に気持ちを吐露した後の如くスッキリしているのは同じで。



「…馬、鹿…ッエロ、教師ィイイ!!」

「…それでも好きでいてくれる十四郎が好きだよ?」

そう不意打ちカウンターを食らわされて思わず背負われた背の中へと顔を埋めてしまえば
「お、俺だって…好き…」と小さく返した。



目を丸くした銀八が家に到着するまで我慢できるかどうかが運命の鍵か。



チョコレートが互いの熱で溶かされていく。
人間は溶けることも混ざり合う事も出来ないけれど。

その代わりに手を繋いで、キスをして、抱き合う事が出来る。

チョコレートの甘い香りよりも甘い囁きにそっと口付けて。





**




甘いチョコレートはどんな人も虜にする。
その香りと味で次を要求するような甘い薬。

常用すれば抜けられなくなるその魅力にいつのまにか
チョコレート自身も浸されて蕩けていく。

まるで甘い口付けみたいに。



チョコレートの甘い香りにしばし酔うように目を閉じて
口に含んだ。






We are taken for magic of the chocolate.