A restaurant with many orders.(15禁)│原作銀土。注文の多いレストランの銀土バージョン。

恐ろしい風の吹く山の中、帰り道も分からず
見つけたのは、立派な建物「料理店」でした。


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『坂田レストラン』

火の消えた万事屋の扉には、そう子供の字で書かれた貼り紙がしてあった。
それにまずは目を引かれ立ち止まる。
今日は仕事でこの近所まで来ていた。だから、ここに来る前に電話をすると
バタバタと子供を帰らせる万事屋の声に吹きだしながらもそうじゃないとはいえなかった。
そうじゃない理由で、こんな夜遅くに行くというのはありえないのかもしれない、と思って
赤くなってしまった。







許してしまった距離、赦されてしまった距離。それが今は自分の認識を
はるかに超えてしまっている気がして目眩がした。
ともかく来る連絡をしているから相手は起きているわけであると決め付けて
扉を開ければ、やはり鍵はかかっていなかった。
ともかく昼間か夕刻、子供達が貼り紙をしていったのだろうと踏んだ。
レストランにしたら貧乏ったらしい外観だな、と下の大家に怒られそうな事を思いながら
靴を脱ごうとすれば、そこにも貼り紙がしてあった。

暗いため顔を近づけてみれば、そこにも子供の字で。







『ようこそいらっしゃいませ。当店はこうきゅう料理店です。
まずはクツと武器をこの場に置いて下さい』

「……?」

履物はともかく、何で武器?と思いながらも呼びかけるものの反応はない。

待っている間に寝ちまっているのか?と思いながら得物を起き靴を脱いでから居間へと
入っていく。

居間にも人の気配なく、寝室で本格的に寝てしまっているなら帰ろうかと
思えば机にまたメモが乗っているのだった。


どうやら本格的にレストランをやったらしい。
今は料理の気配も匂いもしないが、金が万年ない万事屋にとってレストランごっこは
レストランへ連れて行けとごねる子供達を黙らせる有効な手だったのかもしれない。

しかし食べ盛りの子供達はそれで満足できたかどうか。
それでこうやって指示に従っていくと、食べ物にありつけるというゲームをして
誤魔化したのかもしれない、仮説を立てていけばいくほどつくづく子供みたいなことを
思いつく奴だなと思って笑んでしまう。別に自分はレストランに来たわけではないが、
子供達に向ける思いに微笑ましく思うのと同時に少し羨ましくなるのはどうしてか。

無条件に向けられるのは純粋な思いだけだからだろう。
反対に自分に向けられる思いはなんだろう、と思いながらろくな事を思わないな、と肩を竦めてメモを見た。

『此処で上着とくつしたを脱いで下さい』

「は・・・?」

上着は分かるが、何で靴下まで?と思いながら、上着と靴下を脱いでいく。
板張りの床はひんやり冷たく
それだけで何か違う事をしている気がして非現実な行いにゾクゾクした。
レストランというものを履き違えてないか?と灰皿を視線で探せばその場にはなく。



(寝室に取りに来い、ってことか)

一度閨を共にした、というだけで気軽にそれからも相手をすることになった。
気を許しすぎていないか、と思いながらも何度でも。
一度してしまえば後は回数ではないのかもしれない。しかし、それは自分と相手の距離感がたまたま
合致したからに過ぎないのだ。

何れ切れてしまうような間柄で、後腐れないから付き合っているからに過ぎない。

それなのに急速に縮まる心の隙間は一体なんだろう。

此処まで余興に付き合ってやる義理もない。それなのに、そこまでしてしまうものとは一体なんだろう。

寝室代わりにしている和室へと足を進めれば、襖に今度はメモがしてあった。
それを見て今度はメモに書かれた文字は子供の字ではない。

慣れ親しんだ、万事屋の字だ。

『先に風呂に入って汗を流して来い』

引き開けてやろうかとも思ったが、いつの間にか命令形のそのメモにも自分は怒りすら
沸いてこない。操られるように風呂場へと行けば、隊服を脱いでいく。
シャワーを浴びて髪まで洗ってしまうと、濡れた髪のまま此間は
全部洗濯された、と思い出した。
慌てて脱衣場へとくれば、隊服はそのままあり、ホッとしながらタオルを
勝手に使えば、そのタオルについてビンと…。



「ァアアア、のヤロォオオオ!!」

床に転がったのはグロテスクな色の言わば大人の玩具という奴で、ビンは潤滑油だった。
露骨な嫌がらせに思わず叫んでしまいながら、適当に浴衣を羽織る。
玄関に戻って刀を取りに行こうかと思ったが、シャワーを浴びている間に
気配なく置いていけるだけの能力の持ち主が、刀を持ち去っていない方がおかしい。

下着を付けると、その下からメモが出てきた。

その隠し場所にも驚きながらも、メモを見て全身に血が上った。

『準備万端にして、俺のお口においで』

「ッ…ッ!」

適当に浴衣を纏って髪の毛を拭くと、そのまま潤滑油と玩具を持って
寝室代わりにしている和室の襖をスパンと開けた。

梅雨がまだ終っていないのに、やたら綺麗に空くもんだと少しだけ感心しながらも
部屋へと入っていけば布団の上で座る万事屋に向かって、手に持っていたものを投げつけた。

それを器用に避け、受け取りながら万事屋はにぃと笑う。



「いらっしゃいませ〜坂田レストランへようこそ。…じゃメインディッシュの味付けといこうか」

「…な、…なに、言って…」

「本当はそこまで下ごしらえしといて欲しかったなァ」

手招く万事屋に誘われるままに一歩踏み出すと、そのまま腕を絡め取られてしまう。

「…そんな良い匂いまでさせて、・・・今更なかったことには出来ねェよ?」

「シャンプーの匂い、だろーが…」

同じのと言おうとして、相手と同じ匂いである事を意識しているようで止めた。
それなのにお見通しであるかのようにふふん、と笑った後手を引いて布団まで連れてこられた。
座っていた万事屋は、立ったままの俺の浴衣の裾を割り開かせると内腿に口付けた。


「ちゃんと、袋持ち上げて皺まで伸ばして洗ったァ?」

「…な、…注文、多いっつーの…ッ、ひ、ぁ…ッ!」

当たり前じゃん、俺注文多いけど、…美味しくしてあげる。そう囁いて自己中な発言ながら
もう止められないほど熱くなった身体は次第に思考ではなく、身体の欲に支配されていく。
ぐずぐずと崩れそうになる足を立たせてくるくるの頭にしがみ付けば
もうそれだけで、それ以上の合図に他ならなかった。



キュ、と万事屋の唇が弧を描いて吊り上がった。

それを目にしただけでより一層身体は燃えるように熱くなった。










「ぁあ…ッ、…ひぁ…ッ」

前を唇で弄られしゃぶられながら、先程の潤滑油で後孔を解され
足が立たなくなる。ガクガクと膝を震わせて髪の毛にしがみ付けば
唇で食む、と先端を含んで吸われた。

びく、と大きく波打った身体は先走りの蜜を跳ねて飛ばしてしまい
その後は先走りの蜜は止められない。



「く…ッ…ァ…ッ、も、・・・もう……!」

「ん、まーだ。…ちゃんと立ってて?」

カリの部分を前歯で引っ掛けるようにしてなぞると、硬く立ち上がった熱は
先端から根元に向かい蜜が濃厚に零れ落ちる。

足が断続的に震え、限界を訴えるようにぐっと髪の毛の根元の辺りを
掴んでしまうのに、万事屋はどこ吹く風で。

ゆっくり俺の体を準備する。
そうなるために用意をしてきた自分の最終の準備をゆっくりと。

ゆっくり過ぎて体がじれていくのを気づかないわけがないだろうに時折吸い上げながら
弾ける頃合を払って性急に慣らされない。




まったくとんだレストランである。
いつしか自分が客ではなく、材料として店に飛び込んだこと。
間抜けな自分は気づけなくて。

気づいたらもうこいつの口の前、自分で綺麗に磨き上げて誘い込まれ
扉を開けている。

自覚しろ、といっているに違いない。
本当はこうなりたくて自分はこうして身体を好きにさせているのだろうとゆっくり触れる。

まるで悪夢だ、そう思って眉を潜めてしまう。




潤滑油をたっぷり使われて、力を込めぬまま入り口を解す指を引き抜かれ、
息を吐き出す矢先に硬いものが押し当てられ、目を見開いてしまう。




「…つ、かうの…かよ…ッ、…ぁあ――…ッ!」

「折角だしねェ、味付けはたっぷりとね」

尻に押し当てられたものを潤滑油の滑りに任せて突き上げられる。
先ほどまでのじらすような動きとは違う急いだ勢いに万事屋のほうへと腰を突き出してしまう。

そうすれば万事屋の口に含まれたままの熱も喉奥へと突き上げることとなり、
簡単に白い情痕を吐き出してしまった。




「…ぁ、は…ッ、…はぁッ、…はぁ…ッ」

ガクガクと足を震わせて完全に万事屋の方へと身体を傾いでしまうと、
くすくすと笑う万事屋はナカをぐりぐりとグロテスクなもので侵しながら目を細める。
唇を白く汚しながら喉を鳴らし、欲張るように再び尖端を唇に含めると
割れ目を舌先で吸い付き、それだけで腰が揺らめき異物を含んだままの後ろは力が篭ってしまう。




「…美味しく食べてあげる。…だから、頂戴?」

いつもの死んだ魚の目ではない目が閃き、とてもその願いを退けることなどできない
確信的な響きを持って見上げられる。




万事屋は罠を張って待っているだけの料理店ではないから性質が悪い。
何もしていないくせに、そっちの感情出さずに暴く気かと罵らせてはくれない。
そこが狡くて、ずるい。
だからこちらも誠意をもって答えなくてはならない気がしてしまう。
酷いことをされているのに、身体の無理をしかれているのはこっちなのに。




答えの代わりに口付けを強請るように腰を屈める。
万事屋の唇からは、青臭い、生きてる匂いがした。










囚われているのは果たしてどちらか。

















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狩人は彷徨う山の中で、一軒の高級料理店を見つけました。
狩りの成果も上がらず、お腹を空かせていた彼は料理店の門を潜りました。




そうして扉一つに、注文が一つ。

注文の多い料理店は、獲物が自ら食べられるために準備するのを虎視眈々と待っています。

注文を並べながら、美味しい料理の魅惑を、忘れられない味を約束して。




『お疲れ様でした。注文が多くて申し訳御座いませんでした。さぁさ、どうぞお口にお入り下さい』




最後の扉の向こうには、料理店の主が材料が届くのを鍋を暖めて、
包丁を研いで、油を用意して、…待っていました。


こっちもお腹すいた、と微笑みながら。





The thing which is never available when it does not demand it each other.

注文が多い料理店を銀土でしてみたかったので、注文に従う土方君になりました。
高級料理店であることは間違いない筈です、素材が高級なんで(笑)