The sunburn of the heart(15禁)│原作銀土。万事屋は暑そうだから、本当はヤりたくないとか。

夏から秋にかけて、気温がぐっと下がる朝は過ぎた夏を少しだけ惜しむ。
季節の変わり目に、肌に残した太陽の跡は冷やされていく。
しかし、刻まれたそれは消えるとも夏の間に起きた記憶は
消えるわけではない。
忘れてしまっても、心は、身体は覚えていることが多いのだ。






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深夜過ぎ?、とにかく目が覚めたらまだ暗かった。
鳥の鳴く声もまだ聞こえないことからまだほの暗いんだろう。
痛むケツを何とか動かして元凶の隣の銀髪もじゃをみやれば、涎を垂らして暢気に寝息を立てていた。
阿保面に毒気を抜かれながらもまだ何か異物感を覚える
ケツの穴が元の形に戻ろうとするのか引き攣るように痛いため、きつく睨んでやる。




酔いに任せて引きずり込まれた慣れた連れ込み宿で
散々貪られた。




確かにほぼ一ヶ月ぐらいか仕事に追われていたから飲みに出るのも久々で、
そんな時は必ずと言っていいほど行動範囲の似た万事屋に捕まるのだ。


程よく混んだ店内で目立つ銀髪もじゃは酒に程よく酔いながら俺に気付き手招きした。
なんでそっちに行かなくちゃなんねーんだ、と思いながら店員は知り合いかと
隣に突き出しを並べているのが見え、大きく肩を落としながら飲む羽目になったのだ。




しかし、しばらくぶりに入れたアルコールにそんな気分もなくなり
隣に誰がいようと気にもならなくなり、
気付けばほろ酔い加減で万事屋について行ってしまったのだ。

迂闊だとは思ったがなし崩しに合い、気付けば後ろから揺さ振られ目の奥がチカチカした。

『な…んじゃこりゃアァァ!』
『何ってナニだろーが。一ヶ月もほっとかれて銀さんのバズーカ…』
今やランチャーぐらいの威力あるからね、という万事屋の声は耳に入らない。
腰を持ち上げられ思う様に強く腹に熱を埋め込まれてしまったので。
ランチャーとバズーカの力の違いはこの際ほって置こう。


性急に身体を繋げられてしまったのだろう。
遠慮のない乱暴さに時折引き連れるような痛みが走るのは傷が付いてしまっているのだろう。
それよりも強く内壁を擦り上げて、突き上げる動きに付いていけず声を上げて白濁を吐き出してしまう。




『……−ーァあ……ッ!』
『…ふぅ。あーぁ、本当に堪え性ないんだからァ』
まぁ夜は長いし、と唇が吊り上がるのを肩越しに振り返って見つめた。
よせ、とかやめろ、といったに違いないが、そんなことを聞くようなたまでもなく。
身体を反転させられて、幼児がおしめを変えるようなポーズを取らされると
眩暈を覚えながら羞恥に震えながら、再び熱を正面から受け止めることになり。




長くて濃い夜は銀髪もじゃが満足するまで行われた、のだろう。
間が曖昧でよく覚えていないが多分そんなことだろう。

思い出したくもないが。むしろ忘れてくれてよかったと思う。
自分の優秀な忘却作用に感謝する。







痛む腰や擦れた内壁が引き連れて痛いためそっと身じろぐと、
肩まで掛かっていた布団がずり落ちる。
しかし隣にて熟睡する銀髪もじゃの寝息は乱れない。


「………、?」
珍しいこともあるもんだと見返してしまう。
よほど疲れていても気配に敏感らしく目を開けるというのに。
どうやら攘夷戦争に参加していたときの後遺症であるらしい。
敵が夜中でも朝方でも襲ってくるのに対し、物音には敏感になっていたらしい。
確かに今のようにだらしなく寝ていてはいつ寝首を掛かれていてもおかしくはないのだ。
この街に来ても癖は抜けねーもんだと笑いながら話ていたような気がするが。




脱ぎ散らかしてある着物を引っ張り煙草を取り出した。
煙草を一本銜えて火をつければ紫煙の香りが薄暗い室内に漂って
少しだけすっきりした。
痛みは紛れるわけはないが、それでも一時でも紛れれば上々だと目を閉じて
肺まで深く吸い込む。
隣を再び伺うものの、寝息を乱さず布団に埋まっている。
それに少し悪戯心に火をつけられそっと手を伸ばし、その柔らかい髪を
撫でるようにして触る。見た目以上に柔らかく手触りの良さはまるで毛並みのいい獣だった。
そうやって今度は毛先に向かいうねる天パ具合を確かめるように
毛先から視線を向けていけば根元までその髪はうねっているように掻き混ぜれば混ぜるほど
柔らかく指に絡んでいくのが楽しくて夢中になって触る。


すると流石にくすぐったかったのか、唇を緩めて身じろぐもじゃから手を離してしまう。すると再び
寝息が聞こえ再び恐る恐る今度は肩の傷の跡を伸ばした手でなぞる様に触れてみる。
だいぶ薄くなったけれど、この身体に俺が唯一付けられた傷である。
もう一度剣先を向ければ、この手は容赦なくもう一度この身体に傷をつけることが
出来るのか、それはわからないが。指腹を滑らせて、その傷に触れさせる。
他にも無数に身体に傷を遺している。傷を遺した者の念が強ければ強いほど残るのだと言う。
この傷の跡が消えてしまえば自分の念は身体の奥に刻み込めないような気がして途惑う。
殺したくなるような念がもうないことを意味しているようなもので。
気付けば、銜えていた煙草から灰が落ちそうになっていた。
慌てて灰を落とすために、身体を反転すれば背中に腕を回され抱き寄せられた。


「よ、…万事屋……?」
「…何ごちゃごちゃ考えながら触ってんの?」
くすぐったくって起きちまった、そう言いながら腕に力を込めてくるので、その腕から逃げ出そうと
身体の向きを変えれば、腰に激痛が走り動きを止めてしまった。
その隙に両腕でしっかりホールドされて、抱き込まれてしまう。
灰皿に置き去りにされた煙草から漂う紫煙の香りよりも、この万事屋の体臭に慣らされている事を
改めて思い知らされるのだった。




「テメーがめちゃめちゃにしたケツが痛ェ」
だから紛らわしてんだよ、クソがと嘯いてそっぽを向けば
強く腕を引かれて引き戻される。
あぁ、観念せねばならない、色んなことを。
そう思いながらも強情に気持ちに抵抗すればくく、と笑みを零す万事屋に
なんて顔してんの、と呟かれ唇を合わせられた。


「…お前がつけた傷が一番痛ェよ」
「は、…も、…直りかけて…、…んじゃ……」
肩の傷に視線を向けて呟けば、唇の触れるほど近くで弧の形に吊り上がる万事屋の
唇を見れば、ここにね、でっかいの付けられてるからなんて
左胸の心臓の辺りを指す万事屋に、ぽかんと見つめ返した後ジュ、と音が鳴るほど
一気に顔に血が上るのが分かる。




「…テ、…テメェエエ、いつから起きてやがったァアア!」
「えー、なんかすげー目で俺のこと睨んでた、デショ?」
「ほぼ最初からじゃねェかァアア!」
ひとつの疑問に気付きそう叫べば、何気なく落とされる爆弾にさらに全身まで熱が巡るのを
感じながら掴みかかろうと手を伸ばせば、逆に捕らえられて布団に縫い付けられてしまう。
唇を吊り上げてにィ、と笑う顔は獲物を捕らえた猫のようで。




「気を紛らわせるなら、コレしかないでしょ」
そういって真上から唇を落とされる。紛らわせるだけで済めばいいんだがな、と眉を顰め呟けば
期待してるってコトかなァ、とニヤニヤ笑う万事屋にさっと背筋に流れるものがあった。
しかし抗議をする前に深められた口付けに観念するように目を閉じた。


この気持ちは紛れさせたくないと思ったから。




「ふ、…ァあ…ッ…もう…ヤんねー…かんな…ッ」
「んな、甘い声で啼いといてェ?…冗談」
くすり、と笑った万事屋に再び布団に沈められたのは言うまでもない話であった。










数時間後、起きるのすら億劫になり動けない俺に万事屋は「お前は注入するタイプとさっと塗るタイプ、
どっちがいい?」と真面目な顔で呟かれ、「なんの話しだァアアア!!」と
叫びながら殴ったのは別の話。










**




何かのきっかけで、そのときの記憶が呼び覚まされ
不意にその季節が恋しくなることがある。
だけど思い出して、この季節は何度でも巡ってくるから。


肌の隠れる服を着て紛らわせても、太陽の記憶は心に刻まれている。














I shut in the sun on the skin.

学生時代、男友達と坐薬を恥ずかしがりながら買いに行くのと、ゴムを買いに行くのとどっちがいいかと
尋ねたところ、ゴムだと言われて、罰ゲームは坐薬に決定した、という裏話もありました(鬼)