B級天使(15禁)│原作銀土。下品でエロい、サイトらしい話かな。

夏は開放的になる季節と言われているが、暑さで衣服を薄いものに変えたり
半袖や半ズボン、水着も売られているからではない。
夏の気温の上昇が人心を狂わせるからである。
照りかえる様な夏の光に、まともな思考は利かないのだ。



だからこそ、…真面目に考えるのは抜きにしよう?





**






「はぁ、…ッは…ッ!」

「ふぅ…、あっ、ちーなァ、やっぱ…」

丑三つ時、相も変わらず睦み合い、何とはなしに寄った万事屋にて
万事屋の主が酔いに任せて絡んでくるのに根負けして、身体を好きにさせたのは一刻前。

それから小一時間、長い長いクールが済んで、溶け合うほどに絡んでいた身体が
別々の固体へと戻っていく瞬間。額から流れ落ちる汗は互いに、全力で町内を
走ってきたのに匹敵する量を零している。

それを拭いながら、息遣いも全力で走った後のようなので暫く言葉が紡げず

肩で息をしながら、ナカを今まで縦横無尽に突き上げていたものが動いて
引き出されるのを感じ、内壁が動くのを目を細めて堪えるように眉根に力を込めた。



「相変わらず、中ドロドロ…すんげーなァ、オイ」

「ッ、重い、んで暑いッ早く退けッ!」

長い交わりの中で、自分がどれだけ甘く啼いたかなど彼方へと押しやり身体を起こす。
それに逆らわず、身体を離すと額に流れる汗を拭っている。



万年貧乏な万事屋にはクーラーなどという文明の利器はない。
当然だろう、明日食う飯も底を付く事があり、かぶき町中にツケを作っているのに
クーラーなどがあるはずもなく。
一台しかない扇風機も先日壊してしまったばかりなのだそうだ。
暑い中で、熱い事をする気にもならなかったが、すっきりした方が
ある程度出しちゃえばすっきり寝れるんじゃね?との男臭い発言に
つい誘われてしまったのだった。

長く塞き止められていたものを吐き出してしまっても、熱は一向に収まらず思わず
睨み付けながら身体を起こせば、汗に混じり自分が吐き出したものが
身体をねっとりと這い、そのおぞましさに眉を顰めてしまう。



「…んじゃ、先にシャワー浴びてこ」

「待て待てェエエ!こういう場合は譲るべきだろうがァアア!」

「腹減ったし、シャワー浴びてる間に何か作ってやるからさァ」

じゃ一緒に入るぅ?と首を傾けられ脱力すれば、その隙に立ち上がる銀時は
何も纏うことなく部屋から出て行った。

全くデリカシーがねェッ!とせんべい布団と再び仲良くなりながら、
罵倒する対象がいなかったので虚空に呼びかけてしまった。

かといって同じ男同士で気を使われるのも癪だ、と自分の性格にムッとしながらも
布団の上で気を使われる自分を想像して眉根を盛大に歪める。



「気持ち悪ッ!」

自分が甘んじた女役とは言え、女のように扱って欲しいなどとは毛ほども
思ってはいない。優しい言葉が皆無でありながら、それでも自分よりも身体の負担が
あると分かってか万事屋に後始末される時が一番恥ずかしい。

しかし身体が動かず、そのままに任せているのだが、あの時間こそ気を失いたいと
思ってしまっている。
しかし、それが出来ないから嫌なのだと顔を顰めれば、風呂から上がって裸のままの銀時が
タオル一枚を被って顔を覗かせた。



「…手伝う?」

正に今、気を使われることを想像したばかりなので、盛大に顔を顰めたまま
「いらん!」と大声を上げて服が見当たらないので、床に雫が垂れ様と気にせず
大股で風呂へ向かう。
内壁を滑る雫に時折内壁に力を込めねば成らず、それが不快だった。
締め付けるものを失った今、湧き上がる熱を押し殺さなければ成らなかったので。

風呂場で盛大にシャワーを使い、汗やら何やらを流しスッキリしたとばかりに髪まで
洗う。さっきまでのなにやら乙女な思考を振り払うように。
何やら扉の向こうで洗濯機が回っている様子に、下の家主が怒らぬものかと変な気を使い
ながらも、この騒音に気づいているのならば、自分たちが何をしているかも
下に筒抜けという事であるため考えない事にした。

クーラーが無いことも含め、一度万事屋と深く話す必要がありそうだ。
何とか自分で後処理もして脱衣場へと出れば、いつもは用意してある浴衣がなく
タオルのみしかない。

「……、…?」

首を傾げながら、身体を拭き、頭をガシガシとタオルで拭う。
脱衣場から万事屋を呼べば、まだタオル一枚でうろついていたのだろうか、「何?」と
裸で応じる。

「…着替えねーんだけど?」

「あァ、今洗っちまった。…別に、寒い時期じゃねーしかまわねェだろ?」

「……はぁアア!?」

万事屋の話によれば、自分が着てきた着流しも自分が着ていた服も纏めて洗っているらしく、
いつも着ていた作務衣や浴衣も洗いっぱなしで夕方降った雨で湿っているらしい。
湿っているだけなら、とそれを着ようとするが、「今サッパリした所だろうが」と言われ、
タオル一枚で居間兼仕事場へと引きずり込まれてしまう。

「男同士なんだからよォ、…大丈夫。俺、土方の裸見慣れ…ぶほッ!」

「…ァあ!?ふざけんじゃねー」

前を隠すように巻かれたタオルを捲る万事屋の頭を蹴ってやる。
クリーンヒットが決まり、床へと転がりながら「そうすると、全部丸見え…」という言葉に
かーと音を立てて全身が赤く染まっていくのを感じる。

タオルでガードするように抑えれば万事屋の方は肩にタオルを掛けた状態で
キッチンへと行けばお盆に御握りと漬物と麦茶を載せて戻ってきた。

あまりにも堂々としているので、こちらがなにか気にしているのが馬鹿らしくなる。
しかし、それに気づいているのかいないのか、目の前に置かれた握り飯に先程まで忘れていた
空腹を覚えてしまう。
お腹を鳴らす自分に喉を震わせながら、万事屋も片手で鷲掴み頬張る。
均整の取れた筋肉が食べ物を喉へと運んでいくのが見え、思わず喉を鳴らしてしまった。
同じように咀嚼して飲み込みながら、茶を啜る。

冷たく香ばしいそれに、喉が渇いていたことに今更気づき飲み干してしまう。
コップを置いて肩で息を吐き出すと、万事屋の唇が吊り上がっていた。



「喉がひくひく動いて、一生懸命で可愛い」

「…ッゴホ…ッ!…ッ!」

まるで俺の、飲んでるみてーなんて告げられて思わず咽込んでしまう。
そのまま暫く落ちつくまで息を深く吸って吐いていると、それに微笑みながら
握り飯の残りを口へと入れた万事屋は再び咀嚼した。
赤くなって口をパクパクと動かしていれば、小さく笑った万事屋は麦茶を啜りながら
視線をジッと向ける。


「胸元もさァ、こうやって見るとスッゲー痕だよなァ…、でも感じ過ぎるのが悪い」

「…ッな、ななな…ッ、んだよ、コレ!」

「キスしながら感じた所に痕付けたんだよなァ、でも何処もかしこも気持ち良さそうだから」

左胸の上から鎖骨を通って胸の辺りまで口付けの痕が鮮やかなピンク色に
染まっていた。

タオルで思わず覆ってしまえば下が疎かになり、膝から上が見えてしまうことになる。

同じ男同士であるのに、今日は思考がおかしいのか恥ずかしい。
いや、こいつといると何時だって。

赤く染まった顔を隠しながら、今日はどうしてこんな恰好で万事屋の目の前にいるのか
とまで考えてしまう。
いつもは服を着て色んな依頼人が、こいつの同居人が座っている椅子に裸で座る自分は
なんなのだろう、と思いながらも決して嫌とはいえない。…重傷だ。
それどころか、そんな非道徳な姿に燻る熱が再び身体の芯をじわりと弄る気がして
息を飲む。

すると向かいに座っていた筈の万事屋の気配が真横から感じで
喉を鳴らしてしまう。



「・・・ねェ?此処また熱くなってるって事はさ、…」

抱いてもいい、ってこと?と耳元に囁かれながら、知らずにタオルを押し上げて反応を返す
熱を指で突付かれ声を上げてしまいそうになる。
いつもは勝手にするくせに、こういうときだけ聞くのは
こいつが並み外れてSだからに他ならないだろう。しかも、こっちが欲しいというまで決してしないのだ。

自分だって欲しいくせに、と睨むものの握り飯を平らげ、力を付けた
万事屋は余裕綽々に笑っている。


それにムカつきながら手を伸ばして、万事屋の熱を少し力を込めて握れば
予想外だったのだろう、呻く万事屋に少し溜飲を下げた。



「とっとと寄越しやがれッ!」

「…、っはは、…上等だ」

そう言って再び覆い被さってくる万事屋の背に腕を回し、何も考えられなくなる瞬間まで
思考を閉じようと、目を塞いで互いに裸で絡み合う。



まるで邪魔なものはいらないというように、再び熱の奔流に二人で流されていく。
そうして行き着いた先には、互いしかいないのだろう。






**




この季節にまともに考えたって、思考は熱に焼かれたまま。
海に、サンダル、スイカに蚊取り線香。
夏の日差しの中、思考は開放的になる。



真面目に考えているのが馬鹿らしくなったら、…さァ一緒に?
裸足で駆け出そう。炎天下の中、二人で。














As for the love of the summer, I am passionate.

フランス映画のように裸で食事をさせてみたかったのでした(フランスに謝れ)
夏の二人の方がらしくて好きだったりします、寒いと感情的になりそう(笑)