ツンデレ生クリーム(15禁)│原作銀土。往生際の悪い二人。酸っぱいベリーと対。

※これは、ブログでした美味しい関係7題+ショートケーキで5題の12話更新企画(感謝のカウントダウン企画☆)の作品です。




後半・酸っぱいベリーの悪巧みの対になるお話です。

こっちは土方君目線です。













「ちゃんと、力抜いとけよ」
そんなこと言われなくても分かっている。
もうそのぐらいこの屈辱的なポーズを取らされてきていた。
しかし、この格好が男の熱を飲み込むにの適していると、いつしか俺の身体は知ってしまった。
そして、力を抜こうとしてもうまくはいかず、いつも力が入ってしまうこと分かっているだろうに、万事屋は儀式のように繰り返す。
そんなにいうなら、お前もやってみろ、といってやりたいが、熱の奔流に巻き込まれるとそれも言えなくなる。
一体俺の身体はどうしちまったんだ。
自分の身体だというのに、自分の意思は反映されない、そんなことが起こりうるとは思っていなかった。
だから、これは全くの青天の霹靂。


この男にしてもそうだった。


確か始まりは酒の席で、互いに酔っ払ってそれでも引くには引けない飲み比べの時だった。
この男が自由恋愛主義であることは何処か感じ取っていた。
攘夷戦争に参加していたころ、あまり知られてはいないが女日照りが続き、同性でそんな関係になるのだということを知識として知っていた。
確かに生と死の隣り合わせで、明日果てるともつかぬ戦いの中で、そういうことになってもおかしくはない。
人を切った衝動で、血を見た衝撃で、何処か螺子が緩んだ奴が多いんだ、と万事屋は言った。
だからといってそいつらを拒絶することも、拒否することも俺には出来ねェよ、とも。
其処は何となく分かる気がして神妙に頷いた。
性欲でも何でも生にしがみ付ければなんでもいい、そういう時代だった。
石に齧りついてでもその生をまっとう出来ればそれは上々である。
しかし、俺が生きてきたときとは違う。





「…なァ、…ちょっと腰上げて?」
熱に浮かされたような、それでいて男臭い声音が内耳に響く。
こいつに口説かれた時の自分の顔が思い出せない。
笑ってやろうと思って、覗き込んだ万事屋の眸がいやに真剣でそのまま固まったから。
酔狂で男なんか口説けねェよ、そういった万事屋の言葉が未だに心に引っ掛かり続けている。
敷布を引き寄せて握り締めながら指先が震えるのを抑えようと必死になる。
自分の胎内を、万事屋の熱が探るように奥を貫く。
身体の奥から、身体が燃やされるのを知った。
そしてこの男にもこんな熱い部分があることを知る。
あんな死んだ魚の目ぇみたいなのしやがって、…本当は何処に隠してやがった、こんな熱。
信じられない思いで睨みつけると、万事屋の口端は吊り上がっていた。
熱を掻き混ぜるように腰を揺すられ、その度に声を震わせながら吐き出すと、其処ではないのか
身体が自分の意思と反して腰を揺する。
その動きに自分だって自分が信じられなくなる。
身体の抵抗を解きほぐされて、熱で焼かれて分からなくなる。
敷布を握り締めながら、後から被さるように万事屋の肌が触れるたびに、熱いとうわ言のように繰り返す。
ぽたりと背に掛かるのは万事屋の汗だろうか。
悪いが飯の趣味もあわねェような俺に、気もあわねェような俺を熱心に口説こうと思ったのか。
これは酔狂なのか、それとも。
熱に流されまいと必死に指に力を込める。
そうじゃないと、どうしたらいいかわからなくなるから。
万事屋の荒い息が背後に響く、それに目を閉じ震える膝に力を込めるのだった。
思えばこんなに気があわねェ奴なのになぜか気があってしまう。
気分転換で出かけた先々で会ってしまったり、酒の席で妙に気があったり。
こんな奴は初めてだった。
興味があったから、そんな関係になることが少し怖かった。
近くなればなるほど、その奥の根源にあるものを探りたくなる。
興味に逆らい、いけ好かない奴でいてくれれば、自分も興味を失ったろうに。
まァこれは責任転嫁って奴だがなァ。
考えても仕様がないことを考える。
興味を失ったとしても、こいつの方はあの真剣な面をして口説いてくるんだろうか。
酒の席での冗談だと思った。
案外身体の相性はいいのか、出来たことに互いに酒の勢いが覚めてから驚いていた。
身体の奥から焼かれるその心地よさと苦しさを兼ね揃えた快感は、何事にも替えがたい。
例えて言うなら、剣で斬り合った後深々と串刺しにされる、そんな感情。


「…ひじかた」
存外に、いつもはいい加減だと思っていた奴の声はこんな時甘く響く。
それにゾクゾクと背筋を震わせると、深々と突き上げられた熱を最奥の寸前で揺すられる。
いつもは奥を思う様に突き上げられるというのにどうしてか、と訝しんで視線を向ければ、万事屋の口端が上がるのを見た。


(…まずい……)
慌てて腰を逃がそうとするも一瞬早く突き上げられ、悲鳴のような声が転がり出ちまう。
本人は否定するが、立派なドSだっつーの。
わけの分からない熱の本流に流されて頭の芯が霞む。
こんな関係はナンセンスだと思いながら、流されていくばかりではない。
後ろから突き上げられ、揺さぶられながらそっと手を伸ばし、苦しい体勢で万事屋の首に縋ろうとする。
すると再び角度が違って別の部分が擦れるが、そんな事を構わず息を吐き出しながら首に腕を巻きつける。
その動きが意外だったのか、先ほどまで敷布を掴んでいた手が今度は万事屋の首に回される。
抵抗できないように、退路を一つずつ埋めていくのが、お前のやり方ならいっそ。
その退路の一つを自分で塞ぐのもありなんじゃねーか?
そんな風に首を傾けて視線を向ければ、万事屋は眉を顰めて苦しい体勢のままで揺さぶっていた俺を
担いで膝に座らせれば互いに動き易い体勢になる。
互いに負けず嫌いだということは分かっている。
だからこそ、引くに引けないこんな状況になってしまったのだから。
下から突き上げられる体勢に、足が震え思わぬ深さまで突き上げられてしまうのに自重で止められない。
揺さぶられ判らなくなりながら、目の前にいるはずの万事屋の表情まで線を結ばなくなる。
止められない、止まらないそんな奔流に互いに翻弄されながら腰を擦り付ければ、
万事屋の眉がくっと力を込めて寄せられる。
そんな表情を見た途端、腰を上下に揺すり追い詰めようとするも、逆に腰を突き上げられてしまう。
万事屋の呼気が短く早くなっていくのを肩越しに感じながら、深く抉られ精を吐き出せば
内壁も収縮しそれに引き摺られるように、万事屋も内壁を押し上げるように弾けさせた。





「………ッく………ッ」
漏れる自分の声とも思えない高い声に隠されるように、呻く万事屋の声に首に縋った腕の力を込めるのだった。
それが応えのような気がしたから。
精が毀れ、己の腹を汚していくのを感じながら、ほぼ抱き合うようにしていた万事屋の顔が線を結ぶ。
何か言いたげな、それでいて少し照れたような小さな笑みの後、始めと同じく小さな声で聞いた。





「…なァ、キスしねェ?」


いつだって言い出すのは、万事屋が先である。
それに少し、闘争心を煽られながら自分の身体の負担の方が思いのだからこれぐらい当然だろう、とも思う。
男が男に対し足を開くことはきっと屈辱的だが、男に足を開け、というほうもまた。


いい加減、察しろっつーの。


妙に感が鋭い時もあれば、こんなに鈍い時もある。
それがこの男の魅力といえばそうなんだろう。
なんせ妙なところは似通っていて、妙なところは似て非なるものだから。
でもそれを教えてやる気はない。





なんせ、自分はずっと負けているから。


絶対今度は、俺が勝つからな、覚悟しとけ。




「…、……何?…うっとりした顔しちゃって」







……、そういうところもデリカシーがねぇんだって事教えてやらなきゃな。





覚悟しとけ。

往生際の悪い二人のこうくんずもつれつしたお話が実は好物だったりします(笑)
意地の張り合いをしたらとんでもないことになる二人の話の前半部分でした。