責任転嫁(18禁)│原作銀土。夜中2時に好きな人に会いたいって言われたらどうする?のテーマの話。

深夜の万事屋に電話のベルが鳴り響く。
もちろん深い眠りに付くような丑三つ時と呼ばれる時間である。

俺は、布団の中で目が覚めた。
しかも鳴り止まない電話のベルによって。
3回、4回とまだ鳴り響く電話に寝返りを打ちながら相手もきっと諦めるだろうと踏んでいるのだが。
7回、8回と数えるうちにこりゃ我慢大会だ、と思った矢先に一度鳴り止んだ。
根競べに勝った思いで再び眠りの波に誘われるように身じろぎすると、再び電話のベルが鳴った。
しかも今度は中々切れない、ブチと何かが切れる音がした。



「ダァアア、うるせェエエエ!!」
これは電話の主に一言文句を言わなければ気がすまないとばかりに襖を開けると、仕事場に使っている居間へと
足を進め、いまだ鳴り止まない電話を睨みつけると受話器を持ち上げて押し上げる。

「…こちら万事屋ですけどォ、営業時間終了してるんでェ〜…、……?」
『………、』
その言葉に相手は何も言い出してこない、その気配から誰だか探ろうとするも何の言葉も発さない。
悪戯か、と思い、受話器を元に戻そうとしたところで、ふ、と受話器から人の吐息が聞こえた。



「…もしかして銀さんの下着の色とか知りたいとかですか?知りたいのかこのやろォオオ!」
『誰がテメーの下着の色なんて聞きてぇんだ、ボケがァアア!』
その怒声に、電話の主が誰か知れるってもんで、聞き慣れた声に目を瞬く。
肩で息をしているんだろう、荒い呼気が耳を擽るようで思わず笑ってしまう。

「…多串君?…ンな時間にどうしたよ?」
電話掛けてくるなんて珍しく、そして初めてに近いため、文句を言ってやろうという気は萎んでしまう。
それどころか何かあったのか、という不安の方が強い。
こんな時間に電話がかかって来たことで、眠気よりもそちらの方に気をとられてしまっている。
しかし、何も話さない土方にだんだん焦れてくる。
今日は珍しく遅くまで掛かるような仕事で肉体労働だったからクタクタで、神楽もとっくの昔に夢の中だろう。
そうして俺も夢の中だったはずだ。

それなのに電話で起こしたかと思えばだんまりで、流石に意味も分からず頭をかいてしまう。
その気配が分かるのだろう、もう一度土方の溜息にも似た吐息が聞こえる。



「…多串く、…」
『…営業時間外だと聞いたが、…仕事の依頼だ』
「…、…はァ?」
言いにくそうに籠もった声から聞かされたのは意外な言葉で、それ故に一瞬固まり聞き返してしまった。
仕事の依頼はたまに貰うことがある。
しかもそれは副長さんからの口からではなく、たいていは懐いた沖田が面白がって持って来たり、
山崎が持ってくるのが常だ。
丑三つ時で、いくら夜の街とは言え下のスナックでも騒ぎ立てる奴は皆店の中にいる時間である。
だから人通りも少なくなっている時間である。
ネオンの明かりに照らされた今で受話器を押し当てたまま、仕事の依頼だと言い出す土方の真意を探ろうとする。

眠気はすっかり覚めてしまっていた。
受話器越しに伝わってくるのは、仕事の依頼というよりも寧ろ…。



今宵は月も浮かばぬ新月の模様、土方と会わなくなって3ヶ月が軽く過ぎている。
指折り数えていたわけでもないが、ニュースや新聞で真撰組の活躍のシーンが踊れば忙しい毎日を送っているんだろうと思っていた。

久しぶりに声が聞こえたと思ったら、仕事の依頼なんだって色気のねー声。
いや、それが精一杯の土方からのアプローチなのかも知れなかった。

(本当に俺が寛大な男でよかったと思うね)





「仕事の依頼ィ?…ンなこといってねぇで素直に言えば?」
「…な、にを」
じれったいが此処は、土方の口から言わせたいところだ。
小さく笑って、早くしないと寝るぞ?と脅しのような忠告も忘れない。
こうなったらとことん付き合おうかと格子のある窓へと凭れれば、小さく「待て、」と聞こえた。

「ん?」
「…い、まから、行ってもいい、か?」
無理に言わせてみれば、なんとも可愛らしいお願い事だ。
願いを叶えてやるべく、低く笑いを零しながら玄関の戸へ視線を向けた。






「早く、その扉開けて、…おいで?」



**




たった3週間、されど3週間だ。
ほぼ仕事に忙殺された日々、それでも充実していた。
役人相手に媚び諂う護衛の仕事でもなく、書類の多さに悲鳴を上げるでもなく
攘夷浪士との激戦だった。
監察方の報告を受けて頃合を探り、期も熟した頃だ、と突入を掛けた。
其処まで見れば何の変わりもない、いつもの仕事には変わりはないが、その裏に上層部との癒着が発見したのだった。
その事を上に報告すれば間違いなく揉み消されるだろう、その事実に真撰組は揺れた。
穏健に事を進めるには真撰組の面々は血の気が多いため、この事実は隊長以上上のものしか知る由はない。
隊長クラスも血の気の多い者が多いからこの件を秘するだけでも一苦労だった。


それでも慎重に、と近藤さんが言ったからそれ以上何もいえなかった。
それ故に不完全な気持ちを抱えたまま、この事件は終結を迎えてしまった。
もっとこの事件の裏には何かが隠されていると分かっているが手が出せない。
煉獄燗の時も散々迷惑を掛けた、これ以上松平のとっつぁんにも迷惑はかけらんねェ、それが総意だった。




なのに燻るのはなんなのか、それが分からないまま事件が片付いた夜、外へと出かけた。
夜は真撰組の屯所内で酒宴が開かれ、今頃は皆、夢の中であることは分かっていながら。
真撰組の役割は、攘夷浪士のテロ活動の抑制と殲滅にある。




しかし、今回のようなことが起こると、俺たちは何をしているのだろうと思ってしまうのだ。
攘夷浪士たちの野望を止め、志半ばにしながら自分たちはそれ以上出来ずにいる。
そんな風に中途半端でありながら、終わらせられた事件は沢山ある。
それなのに、燻り続けたものは自分の腹から消えそうにもない。


上手い吐き出し方を知らないわけでもないのに、女でもいい酒でもいい一時に熱に酔えばいい。
しかし、今は、これ以上に熱の散らせ方を知らないのだ。


夜道で携帯に電源を入れて通話ボタンを押した。
そうして何度目かの呼び出し音の末、その男がけだるげな様子で電話に出たのだった。







『…もしもしィ〜、万事屋ですけどォ〜?』
そんな風に聞こえてきた時、ふと自分は取り返しの付かない深部まで堕ちてしまっているのではないかと怯えた。


しかし、それこそもう取り返しも付かなかった。













「ッぁあ…ッひ…ッい、た…ッ」
「んん?どーしたよ、一ヶ月近く全く使ってねーつーアピールゥ?…でも全く萎えてねーなァ」
「ふ、ぁあ…ッ」
後孔を二本の指で突き入れながら、前に伸ばされた手が屹立の根元を握る。
途端に跳ね上がる肢体は、反り返りそうして指摘通り思う様掻き回される後孔のひり付く痛みになど
気にならないほど、屹立は熱を持ったまま固く万事屋の手を押し返す。





仕事の依頼だ、なんて口をついてしまったいい訳だが、万事屋にはお見通しのようだった。
引き戸を開けると、寝巻き代わりに万事屋がよく着ている甚平姿で事務所の黒電話を片手にひらりと手を振った。


自分が何の目的で何を考えてここに来たか話さずとも分かっている様子だった。
こんな風に煮えきれない思いを抱えて此処に来ることはあった。
しかし、その時も万事屋は何でもお見通しのようにこうやって口端を吊り上げるのだ。
自分は真撰組内では解決できない、不完全燃焼な思いを抱えてくること、それに気付いている。
もう何度こうして熱に翻弄されているのか想像も付かない。
両手両足入れても足りないほど、床を共にしてもまだ底の知れない男であるのに。
都合がいいから?いつでも切り捨てられるから?
そんな勝手都合で引き入れた熱であるのに、今はその熱を心の何処へ入れている?
そんな風に自分に自問自答を繰り返す。





「…さて、今日はどうして欲しい?」
そんな風に聞いた万事屋になんと応えたのかもう思い出せない。
万事屋は俺の依頼に従っているだけなのだと思うと、この行為が虚しく感じるが自分が望んだことなのだから仕方ない。
依頼だと言った自分の言葉を一蹴した、万事屋はそのことまで勘付いていたに違いない。
そういうことに関しては恐ろしく勘の働く男だから。
手を引いて仕事場においてあるソファに押し付けられると、着ていた着流しが崩れる。
しかし、そんなことに構っている場合ではない。
ネオンだけが照らす室内に、万事屋の眸が少しだけその光に光ってみえた。
その光りは静かな光を湛えながらも何かの感情を内包されている気がした。





内壁を爪先で引っかかれ、その度に足をもがくようにして熱を散らそうとすれば、
それを押さえ込むように中へと閉じ込めるように内壁を指腹で辿られる。
その度に身体が跳ね、呼気の混ざった声が漏れる。





「ふ、ぁ…ッぁあ…よ、ろずや…ッ」
「あーナカ、ヒクついてら、もう足らねー…みてーだなァ?」
ククク、と低く笑う気配を察すれば、内壁が収縮し万事屋の指を食い締めている様がありありと伝わり
そのリアルな感触に思わず腰が逃げてしまう。
しかし、ソファと言う狭い場所ゆえにそれほど後ずされず、万事屋の指の付け根を襞の部分に感じながら
それでも届かぬ部分がもどかしく腰を僅かに動かしてしまう。
その気配を探られたか、羞恥に全身を朱色に染めると息を吐き出して視線を泳がせた。
その様子に咽喉を震わせた万事屋は、何を思ったか指を全て内壁を擦り上げながら引き抜いてしまう。
抜き取られる際擦り上げられる感触は堪らなかったが、その唐突な喪失感に目を見張った。





「……、ぇ……?」
「だって、…指じゃ足りない、でしょー?」
そうして目の前に見せ付けられた、先ほどまで自分のナカに埋まっていた指を舐められ咽喉を鳴らしてしまう。
もう暗闇に目が慣れてしまった。万事屋の赤い舌が指に絡んで落ちていくのを眺めている。
そのいやらしさに気付いて慌てて視線を逸らすと、万事屋は咽喉を低く震わせる。
そうしているの間にか手にしているもを見上げてギョッとしてしまう。
何度か異物を挿れられたことはあるが、その形状は太くて長く感じ、ま、さか…と乾いた声が咽喉から飛び出す。





「ゃ、…そ、れ…ッ」
「ん?此間挿れたのよりも少し太いぐらいだって、平気平気。お前の此処すげ、やわらけーし」
「ァあ…ッ、ひ、…違…ッ」
もう指じゃ足らないだろ、と言うように指先で突付かれれば内壁がそれだけで何かを求めて収縮するのが分かる。
浅ましい身体になってしまった。
でも体内から疼くように熱が湧き上がり、もう目の前の男にしか取り除けない事が分かっていた。
充分に濡らされたそのシリコン素材の根型を握らされると大きく足を開いて蠢く襞へと強く押し付ける。





「…ッひ、…ぃた…ッ、……ッン」
「そんな力任せに挿れたって気持ちよくないだろーが、…もっとゆっくりそう、抜き差ししながら…」
「…ぁァあ…ッよ、ろずや…ぁ…ッ」
上手く働かなくなった霞んだ頭で持たされたものを両手で掴むと、唯一聞こえる万事屋の声に従って
尖端を押し付けていた手をのろのろと上下左右に揺すってゆっくりと飲み込んでいく。
短く息を吐き出して、自ら足を押し開いて後孔に受け入れたものを自ら押し込んでいる姿は、
浅ましいだろう。
霞む思考でそれしか考えられなくなる、それは逃げだと分かっていても。





「ァああ…、ぁああッ…ひ、ぃ…ッ」
「自分でいいトコ当ててみ?…んん、そんな奥擦ってやぁらし」
身体を屈めた万事屋は俺の耳朶に唇を押し当てながら小さく笑った。
その細かく笑う振動さえ伝って背筋を震わせると、腰を押し付けるように緩く腰を振ってしまう。
その動きに気付いたのか気付いていないのか、固く張り詰めたままの前へと手を伸ばして尖端を掌で包み込む。
その手の動きで、自分の屹立が湿っていることをさらに自覚して顎を突き上げるように咽喉を反らしてしまう。








「ぁあ―……ッ、ひぁ…、…ッ」
「で、貪欲な十四郎は、…ナニが欲しいのかなァ?」
「…ッ」





忘れさせて欲しかった、何もかも。
しかし、それは逃げだと何度も言い聞かせた。
燻った熱も自分で処理できなきゃ自滅する、そう思っていて。
そんな甘えも何もかも分かっていて、この男は拒絶しなかった。
その意味は、…?





「…早くおっ勃ててるの、よ、こせや……ッ」
「随分と素直になっちゃってェ、…コレでも気持ちよさそうだったのによォ」
「んな、・・・熱の通ってねー…のでイきた、くね…ッぁあ…ッ」
引き抜かれたシリコン素材のそれを床に落とされると、その動きを追う様に収縮する襞に万事屋自身が押し付けられる。
火傷する様な熱さとその固さに腰が逃げを打つが、大きく開かされ片足を大きく上げさせられ捕まるとそれ以上逃げられない。
ズブズブと埋められている感覚に声も出せずに身体を撓らせると、内壁はもう開かない部分まで
押し広げられその痛みと異物感に咽喉が震える。
持ち上げられた片足に柔らかい感触がして目を薄らと開けると、足に唇を押し当てて舌を滑らせていた。
くすぐったさに身を捩るとその隙に腰を最奥まで推し進められてしまう。
濡れた音が響き渡って、その箇所が万事屋の形に合わせて押し広がるのが感覚として伝わる。





「ぁああ、…アアあッは、…あァ…あッ」
「ん、奥、グチャグチャになって、…、もうここ擦ってやんないとイけねーだろ?」
緩く腰を揺すられ、万事屋の熱が内壁の側面を擦り上げ、身体がビクビクと震えてしまう。
最早視界は、自然と溢れた涙でぼやけている。
言葉すらももう今は何も意味は成さなくなって。
息を溶く様に息を吐き出すように、大きく息を吐き出して万事屋は俺の尻を数回叩く。
緩めろといっているらしい、しかしそれも上手く出来ずにいると小さく笑う万事屋は唇に噛み付く。





「…ッい、た…ッなにす、…」
「勝手に悲劇の主人公ですか、コノヤロォオオ!……も、とまわりにきづけ、や…」
「勝手、…に」
事情も知らず勝手に言うんじゃねェ、そう言い返そうとして気付いた。
自分がこの男を巻き込んでいるのだと。
一人で吐き出すことも出来ずに、吹き飛ばして欲しいなどといって。
巻き込みたくないといいながら、巻き込んでしまっているのは俺自身なのだ、と自覚させられる。
それなのに視線を反らしてしまうのは、この男に睨まれると自分の失態に気付くから嫌なのだろうか。
視線を反らしたままの俺の顎に手を掛けると覗き込むようにして向かせ、見つめる万事屋の瞳は言うものやる気のない眸ではない。
それだけで内壁がうねって勝手に屹立を締め付けながら、絶頂を迎えてしまう。





「ぁあ…ッああ…ッ」
「っ………ッ」
締め付けるその動きに万事屋は呻きながらも耐え、低く喉を震わせながらぺしぺしと尻を叩く。
流石に気まずく視線をそらせばぐぃっと顎を取られて再び視線を合わせられた。





「んー巻き込んどいて一人でイくってどーよ?…つーわけでオシオキ」
っていうか、全部トータルでオシオキ対象だからなァ?そういった万事屋は男臭く笑って思う様に噛み付いた。





その痛みに目を閉じながら、自分がされたかった事に気づくのだ。










深夜2時の「逢いたい」、それは。
応える方も試されるが、言う方もまた勇気を試される。
どれだけ自分が、そいつに対して情を持っているかということ。
それに気づいたときにはもう遅い。
すでに深みに嵌りこんで抜け出せなくなっているのだ。
















I meet your voice anytime.

ブログネタの「好きな人に深夜二時に逢いたいって言われたらどうする?」の答えで御座いました。
エロ体技48手の松葉崩し、というオーソドックスなものを入れてみたかったのでチョイスしてみました(はは)