Maintaining a neutral attitude(15禁)│原作銀土。誕生日にプロポーズ大作戦。

自分たちの関係を何と呼ぶんだろう。
何と呼べばいいんだろう。

きっかけを探したくて、きっかけが欲しくて。



その場所を堂々めぐりしている。






**







朝からパチに列んだせいか新台の並びもよく、あっという間に箱が埋まった。
これで多少先日の負けが返せたとホッとするのだった。
先日はパチンコで女神が微笑まねー上に仕事は閑古鳥。
なのに男の身体は馬鹿正直なもんで溜まれば、触りたくなるし欲しくなる。
金なんてねーからホテル代をねだれば甲斐性無しだな、と冷たく蔑まれた。




(性欲処理なら花街にいけって、さァ……)


節操ない下半身みたいにいうんじゃねーよ、なんて言い返したけど
確かに抱き心地もよくない男に対して十代のガキみたいに何度も抱きたくなるなんて。

一言目に死ねってツラで睨んでくるいけ好かねー奴なのに。
それが俺の下で甘く溶けるなんざ。
睨んでくる視線を潤ませて、舌打ちする唇を薄く開けて。
…なんて考えてたら昼間にも関わらず、なんて。やっぱり節操がないのかもしれない。


箱を詰んでお金に変えて貰って、後の端数分はいつも日用品とか甘味に換えてもらうが…。
目に付いたのは見覚えのある煙草のカートン。
「なァ、あれもよろしく?」なんて、目に付いたらそういっていた。

紙袋に甘味やらそれも入れてもらい歩き出す。





初夏の陽気の街は、何処かのんびりとしていた。
だから、自分ものんびり歩いて。



いつも立ち寄る甘味屋の軒先で居眠る姿を見つけた。
相変わらず変なアイマスクを付けて寝ている風体なのに
こちらの気配に気付いたようでアイマスクを押し上げてこちらを見上げた。
口を開くよりも先に意味深に笑った沖田は、「土方さんなら先に帰って書類整理でさァ」
なんて言って何処まで気付いているか分からない笑みを向けられる。




(多串君じゃ交わしようがないんじゃない?)
しゃぶられ放題ってね、二人の関係に笑うと沖田はキョトンとして旦那は食えねーなァと呟いた。

そんな沖田から離れて屯所へと向かえば沖田の言葉通りで癪だが、
隊士達に入れてもらい副長室へと足を運ぶ。




いつしか離しがたくなっているなんて、そんな説明したら怒るだろうか。
節操無しと。


障子に手を掛けてスパンと引き開ける。


「よー多串君誕生日おめでと、プレゼントやるから…、いこうぜ?」



記念すべき日が始まる。




仕事は流石に休みになったんだろう。
暇そうに寝転がっていた部屋の主は開けられた障子にぎょっとしていた。


「な…」
「二日前の雪辱戦といこうや」
なんて笑いながら告げるとやっと合点がいったのか。下衆がなんて舌打つ。
確かになーと心の中で呟いてやるとそれでも立ち上がる土方に喉を小さく震わせてしまう。
そうして立ち上がる土方と歩き出す。
門にいた隊士に、出て来ると伝える辺り律義だと思いながらも
隊士にひらひら手を振ると余計な事をすんなっと怒鳴られた。


「鉄の錆にしてやろうか?」
「けっ…結構ですっ」
抜いた刀を向けられてと真剣白羽取りをしながら慌てる俺に少し溜飲を下げる。
土方と門兵にはぁ、まぁ怪我しないでくださいよと送り出された。
なんだかんだいって愛されてるわけね、と肩を竦める。




「何笑ってんだよ…?」
眉を潜める土方にいーえと笑って。肩を並べて歩いていく。



昼間に連れ込むには薄暗い部屋で、そのためのだけの場所であるため
他の設備はまったくないがまぁそんなもんだろとせせら笑う。
つーか誕生日プレゼントってコレかよッと怒っているもののもはや自分の下品さに
慣れてしまっているのだろう肩を竦めながら視線を逸らすのみだ。
物覚えのいい身体は時にアダとなるのだとこいつを見ていると思う。


「つーか、多少は甲斐性のあるところ見せねーとなァ」
「…他に見せ方あるだろーが、…マジで下衆だな…」

「いいじゃん、天国へ連れてってやるからさァ、…ね?…おいで」

拒否のない身体とは間逆にまだ憎まれ口を叩く唇を袖を引いて塞いでしまうと
唾液の絡まる舌で舐めた。その粘つく感触に身体を硬くして震えるのを視線の端で確認しクスクスと笑う。
笑う気配を察したのだろう照れたような目元を赤くし睨んでいて。
その瞳が甘く溶けて水滴が滲むのをただ変わっていくのを見つめていたくて。
そっと肩から着物を滑らせるようにゆっくり脱がせていくと、軽く触れる唇がじれったい
というように押し付けられる。


「…んっ…さっさとしろよ…ッ、…ぁ…ッ」
「誕生日なんだからさァ、たぁっぷり時間使って優しくしてやろうかと思ってェ」
「………ッ、な…ッ」
たっぷり布の使われた布団へと落とされて呆然とする土方に視線を絡めて喉を振るわせる。
甲斐性があるってこと、身体で味あわせてやる、身体を一旦離して掌を掬い取る口付けて
ゆっくり指に舌を這わせる。
人差し指を唇に含んで音を鳴らして吸うと、此方を見上げる土方が視線を逸らした。
そのまま指の股の薄い皮ふに舌を這わせると、軽く歯を立てる。


「ね、…キモチイイ場所ってさァ…、どこにあるか知ってる?」
「…ん、なの・・・しら…、ぁあ…ッ!」
じゃたっぷり知って?と声にならない唇の動きで伝えるとそれだけで土方は
大きく身体を震わせた。




「…ぁあ…ッ!…ちょ、…、…はァ…ゃあッ!」
「んー…やだって、いってもさァここもうすっげドロドロだし…」
そう言いながら口付けられたあらぬ所に再び堪える隙もなく極めてしまったようだ。
息を荒らげながらも頑なに目を閉じてしまった。
そうでもなくとも、今日はしつこく優しく弄り倒したので虫の息だった。
おかげで痛みはないだろうが、痛い方がまだましだと思うほどの強烈な快楽に飲み込まれて
土方の声だと思えぬほど甘い声が転がり落ちている。
それに気づいて唇を噛めば性急に弄られるいつでは考えられないほど甘く唇で解いてしまい。
いつもみたいなさァ、安宿じゃねェんだから存分に出せよ?そう囁き
殴りたい衝動に駆られたのか振り上げた拳が奥に指に、縋るような指になる。
腰を緩く動かせば、もう境目のないほど密着した身体を撓らせて震える土方に
嗜虐心を煽られて口付けながら体を離す。
半ば倒された身体を飲みこまされ揺さぶられていた激しい突き上げではなくゆっくりしたものに
変えてやると今まで閉じていた目を薄ら開けた土方の目は、徐々に天井を映しそして見開かれた。


「…ッ、あ…ッ、…つーか悪趣…み…ッ、ひあ…ッん」
天井には大きめの鏡の付いている場所で明かりがついている時には分かりにくかったが、
こうして明かりがほどんどない部屋だと、映るのだ。
いつも、イく顔が可愛いって誉めるとそんなわけねぇって怒るしね。
誕生日にそんなことが知れるのもいいんじゃない?と唇を緩めれば
部屋じゃなくって、お前が悪趣味だと罵られるだろうか。


映る鏡から視線をそらそうとしても首筋を口付ける
己の顔に邪魔をされ、目を閉じることが精いっぱいで。

中へと埋める熱に、まくら元に置いてあったローションを溢すように注ぎこんで
揺り動かしながら奥へと目指せば濡れた音が響き渡った。

何度目かわからない限界を超えた震えに身体中を支配され悲鳴のような声をあげると
そのままシーツへと身体を沈ませる土方に、己も最奥を突き上げて締め付けられた
その甘い痺れに従い吐き出すと肩で息をするのだった。




「…ん……」

「あ、起きた?…煙草?水?」

散々弄られ枯れた声の土方に視線を向け、そう伺えば小さく水、で煙草…と答えが返ってきた。
それにボトルごと手渡すと、起き上がった土方は喉を潤すように半分ほどボトルを開け
タバコ…と呟いた。

煙草を一本銜えさせ、ライターで火を付けてやると自分も煙草を貰い、口に含んだ。
その仕草が意外だったのか散々潤んだ瞳を瞬きながらも見つめる視線に「家にはガキがいるしな」
と話して火を付ける。

煙草を揺らしながらベッドに戻る土方が関心なさそうに鼻で笑いながらも
再び鏡が視線に入ったのか逸らして横を向きながら紫煙を燻らすのを見つめながら
同じくベッドに横になりながらに、と笑ってしまう。



「甲斐性があるってことが証明したところで、別の記念日にしようや」

「…は?…なんの…」

「そうさなァ、…お前が坂田十四郎になった記念日とか?」

そう呟く俺に始めはなに訳わかんねーこと言ってやがると、いうものの
物分かりのいい頭は見事合点したようだった。



「…な、な…何言って…ッ」

「俺と幸せな家庭を作ろうなって話だっつーの、二度も言わせるな、照れるんだから」

「はァ?そういう事じゃなくって…ッ、なんでテメーと…」



「甲斐性のいい旦那に、働き者の嫁さん、こりゃいい誕生日になったなァ」

つーことで、これからはよろしく、十四郎?そう初めて呼んだ土方の名前に
俺の話を聞けェエエエ!!と赤面した土方の叫び空しく空回りしていくのだった。




「…俺の名前も呼んで?」

そう強請ったら、肩を竦めて嫌そうな顔をしながらも、自分が吸っていた煙草を灰皿に押し付け
そして俺の吸っていた煙草を奪うと、同じ煙草の味のする口付けをして。



「…………、ぎ、んとき」

そう小さな消え入りそうな声が聞こえた。
アナタ、でもいいけど?なんて笑みを深めれば調子に乗るな!と拳を叩きこまれた。




**




誕生日はきっかけ?
今まで抱いていた気持ちを再確認する。



ずっと言いたかった。
でも言えなくて。




明日からは新しい二人になる。








HAPPYBIRTHDAY!!

3年前ほどの土方君の誕生日記念に書いたもの。毎回スパコミの原稿に追われて中々更新できない;
誕生日にもう一個記念日という事でストレートにプロポーズ、甲斐性なしの旦那さんです。