チョコレート・トラップ(18禁)│原作銀土。バレンタインのチョコレートで発情する話。

*これはブログで行った一人企画でエロバレンタイン企画『Sweet Chocolate to You』の作品です。









傍にいると見えなくなる。
近すぎると見つからない灯台の下の花のように。

そんな存在ではなかったはずなのにいつの間にか。




**




売り言葉に買い言葉。
これは正にそういう事だろう。
それなのに引けずにいたのは相手も自分も同じだろう。いつものように
睨み合いが始まっていたのは、酔いも回ったころで。

それでも差しつ差されつで酒瓶を抱えるようにして
万事屋に戻ってきて二人で飲み比べをして。
ふと置いてある箱に二人して気づいたのだ。

それはチョコレートの箱のようで。


「つーかガキ共がよ〜いる家でよっく無事だったな〜」

置いてあると見せかけて、銀さんへのプレゼント〜?と酒が回った
瞳で楽しげに笑う銀時に眉を潜めつつ。
家主が知らないという箱にいつもなら気にしたかもしれないが
開けてみれば普通のチョコレートのようで警戒心がすぐに解けてしまう。

「つーかなんでお前に、…俺がやんなきゃなんねェんだよ…」

「…好きィ〜とか?」

そう冗談めかして笑う銀時にそんなんじゃねーつーの、俺じゃねぇよと
然程回らない頭でそういい返す。じゃあ誰だと思いながらも
二人は同時に箱に手を伸ばす。
箱を開ければ黒の塊がハートや車を象っており、香りからしても
チョコレートの類だとは一目瞭然で。

しかし蓋の裏に書いてある言葉に霞む目を擦りながら覗き込んでしまう。

「…”これは半分が普通でぇ、あと半分は気持ち良くなっちゃう薬入りぃ”〜?」
「眉ツバもんだよなァ〜、じゃまずお前が喰ってみろや〜」

「あ、…ねぇねぇ、こういうのは、ど?」

互いに選んだもの食うって奴。
おかしくなったら相手を恨めばイイし、と軽く笑って銀時はそのまま笑みを深めて物色
する様にはこの中を覗いており。俺が応じる間もなく箱に入っていたハート形の
チョコレートを手に取ると、「お前も選べよ」と急かしてきた。
甘いのはすかねーなァと言いながら、酒に酔っていて思考回路が停止していたのだ。

そう自分を慰めることしかできない、いつの間にか銀時の掌で踊らされていたことに
気付いた時には。


せーので含んだチョコレートは甘く、口の中の熱ですぐに溶けて喉奥へと滑り落ちていく。
それに何か刺激臭がないかと思いながら僅かに口を動かすものの
僅かな洋酒の香りしかせず、勝利を確信したように飲み干せば、隣で銀時も。


「…ッ、ちょ、おい?…ッぁぶねー、なァ…、…ッ」

引き寄せられて万年床の布団へと顔を半分押し付けられるように引き倒されて
しまい、見上げればアルコールが回っているのかそれとも銀時の目は赤く染まって情欲に光っていた。

(…、…ま、…さか…?)

「…やべ、…熱くて、たまんねーんだけど…ォ…ッ」

もしかして当たり?と唇を歪めるのも見上げれば艶に満ちており、それに煽られる様に
身体の熱を上げられると、どくりと大きく鼓動が鳴った。

身体の芯が溶けるように、痺れ始める感覚に喉を鳴らすと気取られないように
腰を僅かに揺らして相手の瞳を見つめる。


(…ていうか、俺も……?)

どっちにしろ自分が損をすることなど酔っていなかったらすぐに気付いたのに
自分のアルコール摂取量を恨みたくなった。
理性を失いかけた銀時に押し倒されながら、自分の理性は保っている振りをしなければならない
という苦しさに耐えなければならないことを知る。

そのまま噛みつかれる様に口付けをされて、互いの口からアルコールと甘い
チョコレートの香りが漂って、それが妙にリアルに感じていた。



「…ンン、…ッ、…ッ!ふ…ぅ…ッ」

「…はァ、ノリ悪いなァ…ッ、…もっと啼けって…」

「…あぐ…ッ!だ、…誰がてめーを楽しませて、…やるかよ…ッ、ッひ…ッ」

獣の姿勢で後ろから激しく突き上げられて、いつもよりも乱暴にされても
怪しげな薬は強力なのか全く衰えなく自身を立ち上がらせている。
そのまま肉を押し当てるように腰骨が当たる音が響き渡る。

内壁が蠢いて絡みついて離さないのも相手のせいにして、自分の迂闊さのせいにする
ものの意識の一片を手放さないようにするのが精いっぱいで。
内壁を擦り上げる銀時の熱を感じながら畳に爪を引っ掛けて耐える。
ともすれば崩れてしまいそうな思いに引きずり込まれそうになりながらも
睨むように視線を向ければ、そこにあった銀時の表情に幾分拍子抜けたようになってしまう。

そこには理性を無くしていない、いつもの悪戯っぽい光がその瞳には宿っており。




「…ぁ?…ッ」

「残念でした〜、お前のが当たったみたいだねェ?」

「…ち、ちが…ッ、ひぁッ!」

騙されて酷く扱われていたことにも怒りを感じるが、突き上げられ反転させられれば
残っていた理性は音を立てて崩れてしまう。

ウソついたって身体の反応見たらわかるもん、と酷くされても立ち上がったままの
熱を掌で強く掴まれて悲鳴を洩らす。
後は嬌声とも悲鳴ともつかぬ声を上げるのみで。

全身を細かく振動させながら腰だけ上げられて持ち上げれられ、強く繋がれば
もはや薬のせいか銀時の熱のせいかわからなくなる。


「…ッあ、…とで覚えていやが、…れッ…、…ァアあ―…ッ!」

「忘れるわけねぇだろ、…ノリノリな土方君〜?」

くしし、と子供のように笑う銀時は自分の膝を抱えるようにして大きく開かせると
身体を半分にするほど折りたたまれ、その痛みの背筋を震わせながらも内壁を
焼く熱に蠢いた内壁は吸いついた。

それに逆らい引き抜いてしまいながら、再び大きく口を開かせて
強く突き上げられれば身も蓋もなく精を弾けさせてしまい。




「……―――ッ!……、…ッ!」

最奥へと熱が増して焼かれる様に押し込められ、喉奥で悲鳴を
飲み込むようにしてぐしゃぐしゃになった布団の上で仰け反る。
何度かに分けて吐き出した精が腹を汚しているの止められず。

意識が唐突に暗くなった。


意識を失っていたのは数分だったのだろう。
もう解放されたのかと静かな回りを僅かに見回して、大きく息を吐けば
まだ身体の芯が熱を帯びているのに気づき、確かめるように
掌で自分の熱を触れば、鋭い熱を放っておりその手に吸いつくようにして膨らんだ
ものから慌てて手を離してしまう。

はァ、はァ…と大きな呼吸音が響いて、布団に付いた尻を僅かに振ってしまう。
暗闇からスと顔を覗かせた銀時の表情を認めると視線を向けた。


「…銀さんが助けてやるからよォ…何度でもイケば?」

「…ぁアッ、…も、…イ、きたく…、アッ!」

がくんと大きく人形のように震えると何度目かの絶頂に身体を震わせたまま
首を振いながらも。

チョコレートに仕掛けられた一つの罠よりも、銀髪の男に甘く捕われている。







「…ッマジでふざけんな…ッ」

「俺の演技にすっかりその気になっちゃうんだもん」

同等に恨まれるべきでしょ?といたずらっぽく笑う銀時の横っ面を
張れない悔しさに歯噛みしながら、指一本を動かせない自分は
眠りへと逃げ込むように目を閉じた。

しかし、演技とは言えお前が欲しかったと言われて思わず笑みを
浮かべてしまった。

それに目ざとく「笑うなよ」と銀時から言葉が返り、「大根役者」と
罵って眠りへと堕ちていく。






**




気づけば傍にいるのが自然となり。
それどころか傍にいないと不安になる存在で。

しかし、灯台の下の花がいくら綺麗かろうと、そんなこと知ったことじゃない。
対等に張れるその存在が互いなら。

傾きライトは歪であってもそこは光を照らし続けている。





Always dark at the foot of the lighthouse.

バレンタインらしいお話、と思いながらも結局バタバタさせちゃいました。
甘い話は中々難しい、と思いつつも、これがこの二人らしいですよね〜?(聞くな)