It is covered by a falling petal.(15禁)│原作銀土。銀さんが花柄の内掛けをしている理由。

桜が散っても、その柔らかさは覚えている。



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桜真っ盛りの夜、警備に当たっていた3番隊から応援要請が
来たので今日は事務処理だった自分も仕事に引き戻されてしまう。

なんてことは無い攘夷同士の小競り合いだったが、真撰組の面々にいきり立ってしまったらしい。
元はといえば此方に非があるだろうと言って引き下がれるような人間ではないのだ。
それを承知の上で、荒くれ者を雇っているのだから近藤さんの懐の
深さには驚くばかりだった。
そんなわけで数の多さから検挙に取り付けるまでに、激しい乱闘騒ぎになっているらしいと
聞いて屯所に残っている面々を連れてやってきたのだが。



「…花見やってる直ぐ傍でだったのかよ…」

「そうでさァ、…土方さんって聞いてなかったんですかィ?」

花見客が騒いでいる中での乱闘の為、誰もが気付かないでいるらしい。
暢気なもんだと肩を竦めれば、昼間、上層部から言われも無い事で叱責を受けた
燻りをぶつけるように軽く腕をまくった。

(…早く解決して、花見って言うのも悪くねーか)

そう頭の隅で思って、乱闘の中へと巻き込まれていく。


「御用改めである!真撰組だァアアア!!」

「…いや、もう三番隊来てますけどね」

そんな呟きは諸共せず敵を殲滅せんと目の変わった副長を止める事は出来なかった。



そうして少1時間ほどかけて、何とか動きを封じると、残党がまだいるらしいと漏らし
気を失う攘夷浪士達に戦々恐々の隊士達に現場処理を任せて走り出した。
スタンドプレーが多いと怒られたのはいつの事だったか。


唇を軽く吊り上げて根城にしている建物まで足を向ければ
そこには数十人の浪士たちが仲間達の殲滅を知り、守りを固めていた。


(…数が多いじゃねーか…、総悟たちを呼び寄せて…)

そこに頭上よりふわりと下りてきた物に思わず手を伸ばした。
薄い色の入った小さな白いもの、それは。


「……、…花弁…?」


「…誰奴!?…おい!!」

「・・・チッ……ッ!!」


誰何の声が響き渡り、バタバタと数人の足音がした。
それに舌打ちをし、駆け出す。

掌の上に落ちてきた花弁に気をとられていたなんて、思いたくなく
気の緩みから起きたのだと、自分を律し、駆け出した。
桜の花弁を眺めて、自分の疲れを自覚するなんて四季のあるこの世界で
なんて勿体無い事をしているのだろう。

花を綺麗だと笑った、酔狂な男の横顔がふと浮かんだ。


そんな事を思っていたからだろう、あっという間に前からも後からも人の気配のする
袋小路に飛び込んでしまっていた。
援軍は見込めず、迎え撃つ覚悟を決めて柄に手をかけた途端、路地裏から伸びた
腕に細い道へと引きずりこまれてしまう。


「…ッな、……ッ!」

あっという間に引き摺られ斜めに走らないといけないような細い路地をどんどん進むその姿は。


「銀時…、…?」

「あんな怖いお兄さん達と遊べて俺とは遊べないわけ〜?」

少し振り返ってからかうように笑うものの、走る速度は変わらなくて。
手を引いてどんどん掛けていくその姿は。
かぶき町で長く生活したものの姿?

ダンボールや散乱したゴミを避けて、蹴飛ばしどんどん奥へと入っていく。
追っ手はそれでもしつこく追ってくる。
銀時は舌打ちして、壁に俺を押さえつけるように自分の身体で隠すようにすると
羽織っていた女物の袿を自分に被せた。


「…俺に任せろー」

「は?…んぅ、ん…ッ!」

意味深に笑うと、いきなり唇を塞がれた。もちろん銀時の唇でだ。
驚いて銀時の身体を引き剥がそうとすれば、銀時の背後で足音が聞こえて
しがみついてしまう。


「・・・チ、いたか?」

「逃げ足の速いヤローだ、…てこんなとこでいちゃつくんじゃねーよッ」

向こうだ!そう口々に話しながら足音が遠ざかる。それにほっと肩を竦めれば
機転を利かせてくれた銀時を引き剥がそうと背に手をかけた


のだが。


「…ん、ぅ…ぁ…ッ!、…ふ……ッ!」

「わりぃ、銀さん火ィ付いちゃった…」

付き合って?と言われ抱き寄せられた身体はじわりと熱を帯びていた。
誰が、と声を上げようとすれば、今の怖いお兄さんたちに捲かれてもいいの?と唇を再び
塞がれてしまった。
その仕草と手なれた符合に自分の身体が慣らされていく感覚を
他に何と呼べばいいかわからなかった。
ぴったりとはくっつかないし、それでも離れがたい熱であるような。
そんな感覚にいつの間にか癖になってしまっている。

唇を掬われる様に口付けられればそれに夢中になっている矢先に隊服の上から熱を弄られる。

それに大きく体を震わせてしまうと、爪先でそこをひっかくようにしつこく触られ、袿で
半分顔を隠しながら、声を洩らすまいと唇を噛むと面白そうに笑われた。


「そうそ、その調子ィ?…そうやって声抑えてろよ」

気持ち良くしてやっから、と微笑んでジッパーを下ろされて、入り込む掌に
再び大きく震える身体に、もう拒む余地はないのだと気づかされてしまった。
絡む指に額から熱くもないのに毀れる汗、濃度の濃くなる周りの空気。
そうしたものまで感覚が鋭敏にされ戸惑うように銀時を見れば、視線は柔らかく絡む。


「…下衆が…ッ…」

「ん、俺もどんだけーとは思うだけどねェ…そんな下衆に触られて
ガチガチなお前も大概だと思うけどねェ…?」

「…死ねェエエエ!…ちょ、…ぁ…ッ」

再び掌の動きが再開されて声が紡げなくなる。掌は節が浮き出て男の手だというのを
敏感に感じてしまう。驚いたように目を見開けば尖端を柔らかく揉まれた。


「ぁ…ッ、…ん…ッや、め…ッ!」

「…こんなにしといてェ?…大丈夫だってェ、こんな奥、誰もこねーし、それとも」

こんなところでされて興奮しちゃう?そう耳元で囁かれて対して触られていないうちに
弾けさせてしまう熱に声を上げそびれて、熱が胎内を駆け巡る。
膝ががくがくと震えて目の前の銀時に凭れかかってしまうと、ポンと掌で背中を撫でられた。


「…図星ィ?」

「ふ、…ふざけ…ッ、…ぅあっ」

掌を濡らす白濁にそうであると告げているかのようで、それから思わず顔を背向けると
ズボンを膝まで下ろされて壁に手を突かされる。


先ほどの桜の花弁を見て思い浮かべた酔狂な男の顔は、小さく笑いながら
熱を追い上げていくように強く後から覆いかぶさる。
そんな二人の頭上にもどこから流れてきたのかわからないが桜の花びらが毀れても
二人は気づかなかった。


それほど追い求める熱は、小さなものに捕われるほどのものではなかった。
後から尻を抱えられ、銀時の熱に揺さぶられて同じ男であるにも拘らず
一人だけ熱を上げられていくのは悔しくて、力を込めるように
後孔に力を込めれば、呻くような銀時の声に少しだけ溜飲を下げた。



「…ッん、やるじゃん…十四郎ォ…」

「ぅん、…はァ、…ザマァみやが…ッ、ぁあ…ッ!」

グッと押しこまれて強く絡んでいた内壁が収縮してその動きについていけず
引き攣れる。しかし脳天に響くほど気持ち良くて思わず声を抑え切れず
顎を突き上げると自分の白濁で汚れた指を含まされた。


その指に咄嗟に歯を立てようとするが、口腔内の側面を
指先で弄られ、腰を揺すられ視界が酩酊する。
強く突き上げられて舌の先端に指が絡んで、青臭い味が唾液に混じる。

それに眉を顰めながらも、外だということも手伝ってか動物的な思考に
侵される。


まさしく侵食されるという表現が正しいような、狂い咲き散っていくような桜。

声を殺し、壁に音を飲みこませながら夢中になる熱の奔流に目を閉じて。




「…ん、んン…ッ!ふゥ……ッ!」

最後の一滴まで吐き出してしまえば、膝が細かく痙攣して壁に縋りつくと
そのまま腕に掬われ口付けられた。もう白濁に苦みなどととうの昔に
消え去り、互いの唾液の味に目を閉じ、そのまましゃがんでしまう。

掛けられた花柄の袿は都合よく自分の顔を隠してくれた。

苦しい息を吐きながら「お前マジ死ね」と呟けば、「俺のおかげで助かったんだから、
多少は付き合ってくれてもいいだろーが」といけしゃあしゃあと返された。

多少って量かこれが、と言いたいのも忘れて手早くハンカチで拭って立ち上がると
途端に足元がおぼつかなく、結局銀時の腕に支えられてしまった。




「危なっかしーんだよ、…スタンドプレーは大概にしとけ」

そういって背を先ほどとは違って優しく撫でられた。その手に「お前よりは先に死なねぇよ」と
吐息混じりに呟いて背を撫でてやったのだった。
















**




桜の花弁が散る様は潔く、荘厳だ。
花弁で覆い隠されて前が見えない。

それでも繋いだ手が確かならば、真っすぐ歩ける。





桜が散る夢の様な中、それでもこの熱は真実。

杉様という銀さんといい、洒脱というんですか、なぜに花柄の打ち掛け?という議題から入ったお話でした。
路地でするならやっぱり背面立位だよなァ、と碌なことを考えつかない感じで(笑)