コンビエンスストア│原作銀土。あなたとコンビニ、ファミリー○ートォ〜♪

24時間365日、いつでもなんでもそろっていて。
いつでも空いていて、いつでも暖かいものでも冷たいものでもそのままに。


















灯りは外には漏れてはいなかったが、いつものように
引き戸を開ければ、部屋の中央で家主が此方を振りかえった。


「…お帰り、多串君」




「……、此処俺の家じゃねェし」




口に銜えるのは歯ブラシで、本当に今寝る支度をしていたのだろう。
それなのに、ここは俺をいつも拒絶しない温かさがある。
まァまァと言いながら歯磨きを再開する家主に距離をとり、
ソファに座ると口をもごもごさせながら「茶ァ?酒?イチゴ牛乳?」とかろうじて聞き取れた。




なんだよ、最後の選択肢ってのは。




口を濯ぎに行った相手を見送りながら曖昧に返事をすると麦茶の
入ったコップを二つ持って戻ってきた。




「ほい、…まだその格好だと仕事に戻るんだろ?」




「…、あ、…あぁ」





なにも言ってないが、自分の隊服のままの恰好から推測したのだろうか、
差し出されたコップに入っているのは本当に茶で、一口飲んでから喉が渇いていることに気づいた。




「…なんか摘む?大したものできねぇけど」




「いや、いい」


「あ、そ?…、なんか腹に入れると眠くなるから?」








向かいに座ると、そう呟く万事屋をマジマジと視線を向けてしまった。
この時間の訪問は珍しくなく、仕事が終わった深夜、闇を纏わせて足を向ける。
ただこうやって話すだけの時もあるが、大半は閨まで共にする間柄だが
未だにその関係に名前をつけるのが躊躇われている。
万事屋の方もそれは一緒で、会えば喧嘩をして罵り合って、いけすかない奴として
互いに認識している筈だった。
ただ認めていることが互いにもある為、譲り合っているだけだった。







それなのに、いつの間にかこの部屋で二人でいることが自然になっていく。
奇妙だなんて気づいた時にはもう遅い。
知らないうちに、足がこの部屋を目指しているのだ。
すると深夜にもかかわらず、必ず万事屋は起きているのだ。
まるで自分を待っているかのようなタイミングで。
予定調和のように嵌り込むそれに調子を崩されるというか
ペースを浚われてしまうが、その奇妙な心地よさに動けずにいた。





「…時間、後どれくらいあるの?」


「ちょっと寄っただけだから、…あと1時間位…」




お茶を半分ほど飲み、手持無沙汰に煙草を探すと小さく笑う気配がやたら
近くにあってハッと顔を向ければ、万事屋の両腕に抱きこまれていた。


両腕の優しさに思わず息を飲む俺に、「1時間じゃ流石に無理じゃね?」と
くすくすと笑う万事屋の余裕が鼻につく。


そこは流せよ、本当に。










「…一時間でも時間余る?多串君早いしね?」


付け加えられた言葉に今度こそ頭を叩いてやれば、笑いながらも
揶揄る言葉は聞こえなくなった。


その代わり万事屋の腕の力が籠り背を撫でられれば
自分が万事屋の腕を欲していたことに気づく。
どうしてわかるんだろう、なんで俺の気持ちが分かっているんだろう。
そう以前口に出したら、ニヤニヤ笑いながら「下心付きだから」と
言っていたけど。


その後、「したかったからしただけだけど?」とも言われた。
して欲しい、欲しいものに気づくのではなくて、万事屋はしたいこと、してやりたいこと
になるのだと言った。




この手がなければいられないようになるのかもしれない。
しかし万事屋にとっても、俺がいなければならないようになるだろう。
その奇妙なアンバランスさはやがて強固な絆になる。







「…、……おい、…何だ?…この手は?」




「えー?…触って欲しいんじゃね…?」





「…ッ、…ちょ、そんなトコ触るな…ッ」



抱きしめていた腕であらぬところを撫でる手に聞き返せば
そう開き直られた。笑う万事屋の首筋に歯を立ててやれば、手は離れたものの
じゃれ合うように脇腹を擽られた。じゃれ合いの末、思わず笑い合って。


そして、互いに目を伏せて口付けし合う。





熱に溶かされ、最後に一番欲しかったものは何かに気づかされた。






















24時間365日、いつでもなんでもそろっていて。
いつでも空いていて、いつでも暖かいものでも冷たいものでもそのままに。




いつの間にかなくてはならない存在になっている。
いつでも迎える様に明かりの灯されたそこにホッとしている自分がいる。













いつか「ただいま」と言える場所に。


























I become the place to stay for you here.

某コンビニエンスストアのCMを銀土で妄想してみました(笑)
昔、友人がコンビニに「ただいまー!!」と入店したことを今でも思い出してしまいます(笑)